車椅子のエアークッションの機能(実際に利用して経験を踏まえて)

この記事では、車椅子のエアークッションの適応と機能について解説します。

私が以前8年間勤務していた病院では、ロホクッション というエアークッションを使用していました。

もちろん、空気圧なども福祉機器の業者の方と座圧測定器などを用いて行ったこともあります。

そこで、この記事ではエアークッションの適応と機能について体験を踏まえて、解説をします。

エアークッションの適応

座り直しができない方。褥瘡がある場合に使用します。

エアークッションは、他のどのクッションよりも圧分散機能が優れています。

私が務めていた病院ではロホクッションを6〜8枚程度購入し保管していました。

そして、入院患者様の中でも褥瘡のハイリスク者または、褥瘡のある方に無償で貸し出していました。

ハイリスクの場合は予防で貸し出し、身体機能の回復に合わせて他のJAY2クッション(ジェルとウレタンクッション)などに変更していきます。

褥瘡のある方には、治療目的で貸し出します。

この予防や治療でも、ロホクッションの圧分散機能は効果覿面です

褥瘡のI度〜II度の人は、概ね入院中にちゃんと処置しながらロホクッションを使用すれば100%で完治していました。

また、私の記憶では座り直しができなくて、ロホクッションを使用していて褥瘡になった人は、みたことがありませんでした。

このように、エアークッションは座り直しができない方や、褥瘡がある人に対して使用します。

では、この適応にとってエアークッションがどのような効果を発揮しているかについて、解説をします。

エアークッションの機能

圧分散

エアークッションでは、とにかく圧分散機能が他のどのクッションと比較しても抜群に優秀です。

この理由は、エアセルの高さ(クッションの厚さ)が関係しています。

ロホクッションなどのエアクッションでは、空気のエアセルが1つ10cmのものがあれば、8cmの物があります。

その高さによって、身体の凹凸に合わせて深く沈みこませて、他の触れている身体表面に圧分散することができます。

それにより、高機能の圧分散を行うことができます。

流動性

ロホクッションでは、空気毎のエアセルがあります。

そのエアセルの中に空気があります。
このエアセルは、各エアセルと穴で連携しています。
穴の連携によって、その穴に空気が通過します。

この空気の流動性によって、座った圧に対して適切な弾力性を生み出します。

柔軟性

エアセルは四角柱で縦長に10cmの物もあれば、8cmの物もあります。

そして、それぞれのロッドが分離しています。

エアセルがそれぞれ分離していることで、体が前後、左右に動いた際のせん断力に対しても、十分に対応し皮膚表面の負担も少なく済みます。

まとめ

車椅子ユーザーでは、重度な後遺症があり車椅子に座ると、座り直しができない方がおられます。

座り直しができず、長時間車椅子に座る場合は、非常に注意しないといけないことがあります。

それが、車椅子のクッションです。

座り直しができない場合、座圧がかかり褥瘡のリスクが非常に高くなります。

また、座り直しができないような身体機能の場合は、車椅子に座る際の勢いに伴う衝撃性についても、注意が必要です。

以前、解説したジェルクッションでも圧分散や衝撃吸収には優れた効果を発揮します。

ただ、更に優れた機能を持っているのがエアークッションです。

今回紹介した、エアークッションのなかでもロホクッションのハイタイプは褥瘡などの危険性を大きく軽減します。

最後まで、読んで頂きありがとうございました。

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