この記事では前回のウレタンクッションに続いて、高機能なジェルとウレタンクッションを組み合わせた、ハイブリットクッションについて紹介をします。
ウレタンクッションは、適応者がある程度制限されます。こちらで解説しています。もし、購入を検討されていれば是非参考にしてみて下さい。
病院に作業療法士として勤務し、リハビリテーションを通して関わった患者様は1000名以上の経験があります。その経歴から、今回は車椅子ユーザーにとって大切な車椅子クッションについて解説をします。
病院内には、褥瘡に特化した委員会が設置されている場合があります。
私もその経験があります。
その中でも、車椅子を使用していて通常クッションに早く変えたことで、軽度の褥瘡は発生させてしまう場合があります。
発生した場合は、治療に入ります。その際に、車椅子のクッションの調査を行い、要因になる可能性があれば選定、変更を行います。
ハイブリットクッションとは
このクッションは、ウレタンクッションにジェル(合成ゴム)を組み合わせたクッションです。
ジェルは、衝撃吸収、柔軟性、流動性とウレタンに比べてどれも優れています。
ジェルクッションによる衝撃吸収とは
CMでも話題になった「いつのまにか骨折」をご存知でしょうか?
いつのまにか骨折は、言葉の通り普通に生活をしていて、いつのまにか腰の骨を骨折するという、いわゆる「圧迫骨折」を示す言葉です。
いつまにか骨折(圧迫骨折)こそ、勢い良く座るときの衝撃によって引き起こされると言われています。
それだけ、座る動作においても勢い良く座ると、腰椎などに対して負荷がかかります。
しかし、ジェルのような衝撃吸収に優れたクッションを使っていると、座ったときの衝撃は吸収され、腰椎などに対しての負荷が軽減される素材になっています。
なので、特に骨粗鬆症や高齢の女性にとっては、大きな味方となってくれる素材です。
ジェルクッションの柔軟性とは
ジェルの柔軟性とは、ゲルやウレタンと違います。ジェルは液状の合成ゴムです。ゲルは半固形の合成ゴムです。そのためジェルは、圧倒的に触れた物を包み込むように柔軟に変形します。
変形することによって、身体とクッションの接触面が増加し、圧分散されると同時に座位を補助するように軽く窪み固定するように働きます。
さらに、ジェルとウレタンのハイブリッドクッションには、ジェルの下にさらにウレタンが入っています。
ウレタンが入ることで、さらに厚みを分厚くします。
その結果、ウレタンクッションであった底付きのような現象はよほどないです。
目安としては、5㎝以上で欲を言えば8㎝程度ならよほど問題ありません。
ジェルクッションの流動性とは
長時間座っていると人は、浅く座ったり、深く座ってるみたりして姿勢を変えます。
また、ずりずりとお尻を前にずらしたりする方もいます。
このように、姿勢を変えたときにクッションの形も合わせて流れるように表面の形が変化することを、流動性といいます。
先にも述べたように、ジェルは液状で流れるように変化するのに、富んだ素材です。
この流動性によって、皮膚表面とクッションとのずれ力を軽減し、表皮に対して負担がかからないようにします。
表皮に負担がかからないことで、圧分散されまた血液循環が保たれ褥瘡などの危険性を、大幅に軽減することができます。
まとめ
この記事では、ジェルとウレタンクッションのハイブリットクッションのジェル部分の衝撃吸収、柔軟性、流動性について解説しました。
ジェルはウレタンより車椅子ユーザーにとっては、高機能になります。
ウレタンクッションの特徴は、こちらで解説しています。
クッションの選定は、下記で解説していますので興味があれば是非参考にして下さい。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。