ウレタンクッションを車椅子クッションとして使うときの注意点(経験から)

この記事では、ウレタンクッションを車椅子のクッションとして利用する場合の、注意点について解説します。

ウレタンクッションは、よく車椅子のクッション素材として用いられます。

私も病院で働いてきて、たくさんのクッションをみてきましたが、多くの車椅子ユーザーの人が使用されていました。

先日もトレーニングでお伺いした方で、脳卒中によって要介護4の方で、ウレタンクッションを利用されている方がおられました。

ただ、腰が痛くならないかお聴きすると、痛いと言われていました。そこで、この方はゲルとクッションのハイブリットクッションに即変更しました。

クッション変更後は、腰痛が2週間ほどで消失しました。

ウレタンクッション選定は

・ウレタンクッションの性能を知らない状態で、誰でもウレタンクッションを提供する
・安価だから
・薄くて車椅子の駆動がしやすいから

など、ウレタンクッションの性能を知らずに適当に使用すると、時に腰痛や褥瘡などの二次的障害を患うことがあります。

これらの問題を防ぐためにも、この記事を少し読んでみて下さい。

ウレタンクッションとは

ウレタンクッションとは、液体薬品に空気を送り気泡の大きさや量を決定し、規格のクッションに合わせて型取りしたクッションです

その気泡の大きさや量によって、密度や硬さ、伸び率などが変化します。

これを知った上で、ウレタンクッションと一言で言っても、それがどう言ったクッションなのか知らないと、悪く作用してしまう場合があります。

ウレタンクッションの種類

低反発ウレタンクッション
汎用ウレタンクッション
ソフトタイプウレタンクッション
高密度ウレタンクッション

などのウレタンクッションの種類があります。

多くの人は、ウレタンクッションでは、感触から低反発が良いと思われているかもしれませんが…、実はいろいろ違うんです。

ウレタンクッションの低反発機能

ウレタンクッションの低反発機能は、身体表面とクッションの接する面を多くします。

接する面を多くすることで、点で体を支える必要がなくなります。そして、クッションの触れている身体の全面で支えるようになります。

その結果、圧を分散させるまたは、座位を安定させるなど良い機能があります。

しかし、最も大切なのは厚みなんです。

こちらの研究内容を、見ていただくと厚みの大切さがわかります。

 

低反発のクッションが薄いと、一時的には圧分散をします。しかし、数時間座ってると必ず底付きしてクッション性が減退します。その結果、低反発クッションであっても座圧は一点に集中するようになります。

クッションの厚みを十分に考慮せずに、触った感触だけで選定し購入し使用すると、数時間使用後には違和感を感じる、腰痛や臀部の痛みなどを感じる可能性があります。

 

そのため、ウレタンクッションを車椅子で用いる場合は、厚みを考慮し選定することが勧められます。

ウレタンクッションの適応は、こちらの記事で解説しています。

車椅子のクッションの
適応と種類の選択方法について。

そのため、ウレタンクッションのレンタルや購入を検討されている場合は、是非参考にして見て下さい。

ウレタンクッションの手入れ

ウレタンクッションは、へたりがあるとも言われています。もちろん耐久性の負荷試験などが行われます。

しかし、長時間利用することで負荷試験より早くへたる可能性があります。

そのため、ウレタンクッションを利用されている車椅子ユーザーの方が見えたら、クッションのへたり具合についても、確認する必要があります。

それによって、事前に二次的な腰痛や褥瘡などを予防することもできます。

まとめ

ウレタンクッションは大きな括りで、言われている名称です。

しかし、個々のウレタンクッションによって性能は変わります。

また、ウレタンクッションは底付きする可能性があります。

底付きすることで、座圧が一点に集中します。そして、二次的障害の褥瘡や腰痛に繋がります。

そのため、ウレタンクッションの厚さを考慮して選定する必要があります。

さらに、ウレタンクッションはへたり具合によっても、クッション性が低下します。

随時、ウレタンクッションはへたり具合について確認が必要です。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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