車椅子クッションの特徴。ウレタン、ゲル、エアークッションの違い。

今回は車椅子のクッションについて記載します。

車椅子のクッションは、物によって大きく変化します。

例えば、体圧分散に優れている物もあれば、座位保持の補助として機能するクッションなど様々です。
そこで、クッションの機能性に着目して3点紹介します。

 

この記事を読むことで、

ウレタン、ゲル、エアークッションの特性がわかります。

 

1:ウレタンクッション

体圧分散機能を携えたクッションです。ただし、長時間座位や座り直しができない人には、不向きなクッションです。

ウレタンクッションの有名な機能は、「低反発機能」です。

低反発機能によって、個々の体に合わせて沈みます。沈むことで体とクッションの接地面を多くします。接地面を多くすることで、通常は臀部にかかる圧を、他の接地部位に座圧(座っている時に、臀部にかかる圧力)を分散させます。

 

分散されることで、臀部の一点に集中していた座圧を大腿部などへ分散させるため、座っていても痛みや苦痛などを和らげます。この分散機能を持っているウレタンクッションは、体圧分散に優れたクッションと言えます。

ただし、ウレタンクッションのデメリットは長時間座位には不向きです。この図のように、ウレタンクッションではかかった座圧が垂直方向にかかります。

ウレタンクッションの特性

そのため、座圧のかかっている部位は時間の経過と共に、沈み込み厚みが薄くなりクッション性が低下します。クッション性が低下することで、時間の経過と共に臀部の尾骨や坐骨などに圧力がかかるようになります。

さらに、ウレタンクッションは通気性が悪くなる傾向があります。そのため、湿潤な皮膚状態を作り出します。失禁や多汗な場合は、皮膚状態を確認する必要があります。

まとめ

体圧分散はするが、長時間座位では沈み込みからいずれは臀部の尾骨や坐骨部分に圧が集中しやすい傾向があります。

また、通気性が悪く皮膚の過度な湿潤による爛れには注意が必要です。

 

2:ジェルとウレタンハイブリットクッション

体圧分散と衝撃吸収がウレタンクッションより効果があり、座位能力の補助をします。

まず、ウレタンクッションとジェルクッションを組み合わせた多くの商品が高反発、低反発ウレタンが人の体に合わせて二層に分けられています。

臀部部分は低反発沈み込み、高反発太もも部分は持ち上げるように作用します。臀部部分が沈むことで骨盤は安定します。また、太もも部分は持ち上げられることで、臀部が前にズレないようにします。

骨盤の安定と、臀部が前に滑らないようにすることで、褥瘡の危険リスクでもある浅座りを予防します。骨盤が安定と浅座りを予防することで、座位能力の補助をします。

そして、ゲルが組み合わさることで通常のウレタンより座圧が垂直に降りずに、流動的に流れるように圧を分散します。流動的な圧分散によって、ウレタンクッション部分の過度な沈み込みを予防します。

ウレタン、ゲルクッションの体圧分散機能

沈み込みが予防されることで、ウレタン部分のクッション性は担保されます。

担保されることで、ウレタンクッションより高機能で圧分散をし続けます。

まとめ
低反発クッションの沈み込みで臀部を安定、高反発クッションで太もも持ち上げて浅座り予防を行い座位能力の補助をします。

また、ゲルが組み合わさることでクッションに加えられた座圧は、流動的に分散されます。

さらに、座圧分散に効果的なのはエアクッションです。

 

3:エアクッション

体圧分散に優れて、座位能力補助も抜群に行うクッション会の王的存在です。

エアクッションの体圧分散機能は、ウレタンやゲルクッションとは異なります。

エアクッションにかかった座圧は、クッションに伝わります。しかし、伝わった圧はクッション内で足し引きされてクッションの圧は均等に保つようになります。

そのため、下記図のようにどの位置に座ってもかかる圧は均等に保たれるように流動的に圧分散されます。

エアクッションの分散機能

また、エアクッションは個々の臀部の形に合わせて空気具合を調節することが可能です。

調節することで、クッションの浮き沈みを作り出し浅座りや臀部の沈み込みなどを作り出すことができます。

それにより、座位能力の補助を行います。

 

まとめ

座圧分散機能は、どのクッションよりも流動的に行われる。流動的になることで、褥瘡などを予防します。また、空気圧が調節できることで臀部の形状をクッションに記憶させることができます。

 

 

まとめ

クッションによって、それぞれ機能が大きくことなるので選定は慎重に行う必要があります。

車椅子クッションの特徴
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病院に勤めていた作業療法士が、実際の臨床現場で学んだ脳出血や脳梗塞などに伴う後遺症さらに、骨折や脊髄損傷などの後遺症などの情報を提供。また、基本的な医学用語やトレーニング方法などについての知識をわかりやすく解説。

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