今回は脳卒中の中でも、脳出血の好発部位について解説をします。
脳出血の好発部位について
被殻出血が233名!全体の1/3を占める。
1993年に脳卒中の中でも脳出血の好発部位について調査された研究報告があります。
このデータでは脳出血患者数644名に対して被殻出血が233名と全体の1/3を占める割合であり、被殻出血の好発率は驚愕です。次に多いのは視床で167名、皮質下出血が78名、橋が69名、小脳が61名、混合型が17名、その他が19名となっています。
同様に船橋市立医療センターの脳出血の検証内容でも、被殻出血(外側)が全体の35〜45%と被殻出血が脳出血の全体の割合を占める。次に、視床(内側)が25〜33%、皮質下出血が10〜20%、小脳出血が5〜10%、橋出血(脳幹部分)が4〜9%と報告されています。
引用:船橋市立医療センター脳神経外科(2002年):疾患別説明書
脳出血自体はご存知の方も多いと思いますが、血圧との関係が非常に強く関係しています。
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高血圧と脳出血の関係
91%が高血圧と診断されている
上記と同様の報告の中でも、被殻と橋の出血に関しては高血圧との関係が強いと言われています。また、実数値では被殻で出血した患者と橋で出血した患者の割合の中で、両出血共にその患者の中での割合として91%の人が高血圧の診断を受けていたと報告されています。
年齢と被殻出血の推移
被殻出血は40歳から発症する!?
これは非常に興味深い結果ですが、男女問わず40〜50歳代で被殻出血の発症確率は最も高まるとされています。そして60歳代からは急激に発症する割合は低下します。
しかし、2番目に多い視床は異なります。男性は被殻同様40〜50歳代で発症する確率が最も高くなります。女性はそれが異なり、50〜59歳代で好発率は上昇し、一度60〜69歳代で低下するが再度70〜79歳代で上昇する傾向にあったと報告されています。
そのため、50歳代以降も気をつける必要があります。
では、何に気をつける必要があるのかについて解説をします。
薬と脳出血
高血圧の薬の飲み忘れは禁忌!
高血圧は加齢と共に血管の老化によって血管の柔軟性や、耐久性が低下します。その結果、血液が血管の壁に対して負荷をかけるとその反動に血管が柔軟性を持って対応することができず結果的に壁が割かれるようになり出血へと繋がってしまいます。
そのためには、血管の壁に対して負荷がかかりすぎないように注意し、血管の壁が割かれるような出血に繋がる現象を避ける方法が大切になってきます。
そこで、高血圧に伴い服薬を開始し血圧の安定を確保している人は数多くおられると思います。
しかし、その服薬を忘れると大変危険な状態になります。
現に私自身が働いた病院でも、薬を飲み忘れて朝起きたら麻痺が出ていたという話は良く聞きました。
麻痺は薬では治らない大変苦しい後遺症でもあります。
このような症状に罹患しないためにも、高血圧の薬は処方されていれば確実に内服するようにして下さい。
もし、内服忘れたら…
無闇に服薬すると低血圧症状が出現し、体に力が入らない、ふらつくなどと言った症状や重度の場合は失神や意識混濁などを引き起こします。
また、24時間電話相談などを医師にできる事業や、万が一飲み忘れた場合ってどういう対応をしたら良いかなどもあらかじめかかりつけ医師に相談しておくことも一つの手だと思います。
まとめ
今回は脳出血の好発部位の概要と年齢との関係について解説をしました。また、脳出血をきたす高血圧と服薬忘れなどについて説明をしました。