今回は、リハビリテーションやトレーニングの理論に必ず必要となる基礎中の基礎『教師ありと教師なし学習』についての概論を簡単に説明します。
実際に教師ありって?教師なしって?と臨床で質問すると、答えられない場合が多いのでこの点について記載します。
この記事を読むことで”教師あり”、”教師なし”の説明ができさらに臨床で患者様にフィードバックをやりやすくなるまた課題の設定を範囲広くできるようになります。
では早速解説へ!!
教師あり学習(supervised learning)とは?
簡単に説明すると目標や目的の動作に対して実際の動作の誤差修正をしている学習になります。
脳全体のネットワークにおいて動作評価をして、何かしらの形式で報酬や誤り信号を送信する活動がある。
このように誤差=誤りを教えてくれると言うことから『教師』と言うワードが使われています。
この”教師”が脳内にいるまたは、構築されていることで脳の神経活動は正常に機能または、問題があれば修正、改善しそれを学習するように脳の学習ルールは工夫がされています。
この学習方法は、小脳や基底核が脳では深く関与しています。
教師なし学習(unsupervised learning)とは?
これは、誤差や報酬から学習するのではなく頻繁にある環境の条件下で求められて繰り返して動作や行動を行なった結果、学習されると言う状態のことを示します。
例えば、関節を無目的に反復的に動かし肘を伸ばします。しかし、現段階においてこれがなんのために役立つか分からない状態です。
この肘を伸ばす動作においては、これが何に生かされるかと言う正解はありません。しかし、これらを繰り返して行なった結果、「机の上にあるコップを取る動作ができるようになる」と言ったように、無目的な動作を頻繁に実施することであれもこれもできる可能性が広がることを示します。
しかし、結果的にできるものであってその目的は確証が無いため、元々行なっていた動作自体がその目的動作に対してできるようになったと言う報酬は得にくい可能性があります。さらに、目的としている動作ができない可能性もあり量が必要なのと不確実性が高い学習方法になります。逆に、できる範囲が広がる可能性もあります。
これは、単純な反復的な関節運動や筋トレと同様です。
この学習方法は、大脳皮質の局所部位で行われています。
まとめ
今回は”教師あり”、”教師なし”の学習について記載をしました。
リハビリテーションやトレーニングにおいては、目的動作を可能とすることが大前提ですが、”教師なし”学習も色々な活動にたまたま頻繁に行なっていた動作が反映されることも重要です。
そのため目的、目標と実際の動作を比較して誤差修正を行う”教師あり学習”と、無目的に反復的に動かすような”教師なし”学習の両方が必要であると言えます。
参考文献
カンデル神経科学
大脳基底核 意思と行動の狭間にある神経路