作業療法士が解説する。脳卒中のトレーニング時間ってどう決めてる?

管理人
その時間配分って本当に効率的に覚えることできるの?
本日もkaradasapo-to.comに訪れて頂きありがとうございます。今回は、トレーニング時間について記憶機能と関連させて解説をさせて頂きます。

記憶が肝

急性期の状態で重度の麻痺などを伴った場合の脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の場合は、回復期、生活期病院を経てリハビリやトレーニングを行う場合が非常に多いです。

しかし、この疾患(脳卒中)においては後遺症がかなりの高確率でつきものであり、患った患者様は早く大きな改善をさせて社会復帰を望まれます。

また、明日、明後日に大きく改善することはいまの医療技術ではなく数年以上後遺症と共生と改善との生活を過ごさないといけない状態になります。

そこで、日々コツコツと知識を積み上げる、感覚を積み上げる、運動を積み上げる必要があります。

そして、それらは数年後コツコツとできた人にとって大きなリハ効果をもたらします。

このコツコツ積み上げる経過の中で、せっかく覚えたものはなるべく覚えて起きたいと思うのが当然です。

そこで今回はトレーニング時間を含め、どの時間配分で行う構成が一番教えてもらったことを思い出すことがしやすいのかなどを論文を使用して解説をしたいと思います。




 

後遺症改善と記憶の関係

嘉戸ら(2008年)は、リハビリテーションやトレーニングにおける「動作能力の変化は、一次的なものではなく、比較的永続する変化に導く必要がある

引用:嘉戸 直樹、伊藤 正憲「運動学習はここまでわかった」関西理学 8:49-52,2008.

また、文野ら(2012)は「運動イメージを想起することにより、実際の運動実行と同様の神経機構を賦活することができ、実際の運動と類似した学習効果があるとされ、この結果を支持する論文も数多く存在する。

と述べておりイメージを行うことの必要性も述べられています。

しかし、イメージとは脳内に表現されるデバイスであり記憶機能を使って保持、想起などができないと全く意味がありません。

その事より、記憶機能が非常に重要になってきます。

記憶の本邦見解

そのように記憶することは大切ですと言いながらも、本邦における論文の中では記憶は鍛えることができないなどと言った記憶に対して否定的な論文が多く見られます。

しかし、この考えが海外は違うので今回は海外の論文を元に、記憶がよくなったと言われるテストと学習の構成内容について解説を行いたいと思います。

この内容が理解できれば最後に紹介するような、時間の構成を行いトレーニング時間などを意識して変化させるとより前向きな効果を得る可能性があるでしょう。

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課題時間の現状

現在は病院で入院中や生活期でのトレーニングやリハビリにおいて、スタッフ主体で決定するのが日本の風潮です。

しかし、これによってリハビリやトレーニングを受ける時間はその時々によって異なります。

例えばAM9時から理学療法をやって、PM16時から2回目の理学療法をやる。と言ったように大きく時間が開く場合もあれば、AM10時から理学療法をやって、PM13時から理学療法をやるなどと言った時間が短い場合なども多くある。

また、入院してリハビリなどを受けた方や医療現場の人は知っていると思いますが、理学療法だけではなくこれに加えて作業療法や言語聴覚療法なども入ってきます。

なので1日に理学療法が言ったことは、よほど印象的でなければ覚えることが難しいのが現状です。

しかし、本当は言われたことを忘れたくないし、それを自分のものにしたいと思われるのが普通だと思います。

そこで、ここからは報告内容と実際の時間構成について解説を行います。

報告内容と具体例

記憶を良くしながら、運動を行う方法についてEeleco Vら(2016年)は運動の課題と学習(いわゆる知能学習)の時間による検討が記憶に対して影響するかを確認しました。

介入モデルは下記のように設定されています。

図引用:Physical Exercise Performed Four Hours after Learning Improves Memory Retention and Increases Hippocampal Pattern Similarity during Retrieval.

Controlでは、テストに関する勉強。Delayは別の静かな場所に移動して、そこでドキュメンタリー鑑賞を行う(テスト内容や勉強内容とは関係のない内容)。運動はエルゴメーターを使用して、強度は最大心拍数の80%に設定して35分実施します。

このモデルで実施したところ、DE群(勉強して、テストして休憩してエルゴメーターを実施した群)が他の群と比較して優位に記憶機能の改善を認めると報告しています。

中でも、associative memoriesに対して前向きな影響を与えると報告しています。

※associative memoriesとは、連合記憶と称されており人-場所、肩-動かすと言ったように必要な記憶情報を2つの物事と結びつけて脳内に保持する記憶のことで、手続き記憶の一部として捉えられています。なので「いつ、どこで、誰と、どんなことをやった」などと言った記憶を示すことになります。

この前向きな影響を与えた根拠として、物理的な運動は急速に人間における幾つかの統合促進因子の放出をすることが示されています。今回の運動においてもそれらが働き脳内での統合促進因子が放出され、統合的な作用が働き結果的に連合記憶がほかの構成内容と比較して向上したのではないかとしています。

また、連合記憶は一つのカテゴリーに縛られず、様々な場面で活用される記憶であり、その保持した記憶を必要に応じて違う場面などでも引き出されるようにエンコードをされないといけない。もし、エンコードされない場合はそれらが必要に応じて記憶想起されない状態となります。

このことについてペアワイズ法で海馬活動の類似性について確認したところ、これらも同様にDE群が他群と比較して高かったと報告をしています。このことは、偶然そうなった結果を否定しさらに、想起課題でそのような現象を認めることから正しい場所から保持した内容を引き出すことができると言うSTG説を支援する結果となっています。

ここまでの解説で、テストを実施し一度それらの内容について学習を行い、それらか運動を挟み、本番に臨むような構成内容は非常に記憶機能に対して前向きな影響を与えます。

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実際の現場でできること

僕は、今こそ経営者ですがそれまでは回復期病院に勤めており、役職にも就いてリハ時間などの管理なども約50名は管理していました。

だからこそ、今回の例のような工夫を行うことは可能だと知っています。

では、その実際の時間管理と構成内容の工夫について解説を行います。

引用:Physical Exercise Performed Four Hours after Learning Improves Memory Retention and Increases Hippocampal Pattern Similarity during Retrieval.を一部時間を加えて改変

実際の病院内で実施するのにはこのような時間配分になる。

AM9時にPT3単位(実際の動作チェック、ポイント教示による学習)→休憩(全く関係のないことをやる)→13時から全く関係のない有酸素運動→PM13時にPT2単位で全く関係のない運動を行う→翌日に前述の内容についてチェックを行う。

この方法で行えばシステムの問題は改善できます。

さらに、これらによって連合記憶などの改善によって教示した内容を、正しく想起することができればより効率的なリハ効果を期待することができると思われます。

ただし、この上記の方法でチェックや教示する時に配慮しないといけないのは、アンダーマイン効果や難易度設定ですが、今回は触れませんので、知らない方はネットで検索してみてください。

本日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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