はじめに
肥満と腰痛って?
肥満気味の人で、腰痛って聞くと・・・
肥満によって腰痛が出現しているのでないか?
と考える方が非常に多いのではないでしょうか?
また、肥満だから痩せようとランニングやトレーニングジムに入会したけど、体重は減って言っているのに全く腰痛が治らないと言う経験はしたことはないでしょうか?
しかし、調べていくと肥満と腰痛は関係がないことがわかってきます。
今回はこの肥満と腰痛についての調査的な研究について、紹介と解説をしていきます。
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腰痛の簡単な概要
原因がわからない腰痛は、〇〇%もある!
腰痛は、スポーツや仕事など日常生活でのありとあらゆる場面で出現し、人を身体的にも精神的にも疲弊させる病です。
さらに、腰痛の原因は腰痛患者の約85%は原因がわからない腰痛(非特異的腰痛)とされています。
ただ、腰痛は対処方法を間違うと、悪化の原因になり腰痛に悩まされる、思い切った運動などを行えなくさせてしまいます。
今回はその間違った解釈の中でも、最も多い肥満と腰痛について研究論文を紹介しながら解説を行いたいと思います。
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最新研究でわかった!
肥満と腰痛って関係あるの?ないの?
日本医科大学附属病院の金田らの研究(2001)では、19948人を対象に大規模調査によって腰痛患者の特徴を調査する研究を行っています。
その中でも研究に協力した19948人の内、腰痛患者5843人(29.3%)が腰痛を発症しており、激痛を示す者が263人いたと報告しています。
この中の研究で身長と体重においても調査をしていますが、腰痛のある人と腰痛の無い人では、身長も体重においても有意差がない(差がない)と結果を示しています。
同様に、ロンドン大学のクリスらの研究においても腰痛のある人571名と、腰痛の無い人5210名との比較検討において腰痛とBIMとの関係を否定しています。
また、南デンマーク大学のLiseらが、6544人に対して行った研究(2006年)においても、肥満との関係性は否定されています。
また、前述したような研究は、年齢が若い状態での調査研究が多かったです。しかし、日本では白木原らが、年齢70代の78名を対象に①腰背痛なし、②腰背部痛あり(日常生活に支障なし)、③腰背部痛強くある(長距離を歩けない)の3群に訳てそれらを様々な項目で比較をしています。
この結果も、前述記載した研究同様これら3群は体重に差がなく、体重が重くても、軽くても腰痛は他に発症する危険性や要因があると示しています。
引用:白木原 憲明ら.高齢者の腰背部痛と身体、生活および生活の質との関連.日本腰痛会誌,7(1):65-72,2001.
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まとめと注意点
このように、先行研究から肥満や体重などと言った身体的特徴と腰痛は関係がない状態となります。
腰痛があるからの言って肥満体型の人の多くは、痩せなくてはと言って過剰な食事制限などをする場合があります。
しかし、そのようなことを行うと次回解説しますが、腰痛を悪化させる可能性があります。
もし、この記事を読まれた方で、治療者側に立たれている場合は上記のように痩せることなどを進めるダイエットを指導する場合は、栄養状態などの適切な指導を行い、行うことが望ましいでしょう。
次回は、腰痛と筋肉についての解説を行います。
また、そこで腰痛の原因についてしっかり理解をして、腰痛の患者様やお客様の苦しみが少しでも、無料で解消できるような情報をお伝えできればと思っています。
本日も最後まで、読んで頂きありがとうございました。
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