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今回のテーマは・・・・
この内容について、作業療法士である僕自身が現在報告されている内容などから解説を行いたいと思います。
では早速ですが、解説して行きます。
まずは、ストレッチの種類について、実際に多くやられるストレッチ方法からその効果などについて解説をして行きます。
ストレッチの種類について
ストレッチの種類は多く存在するのですが、大きく分けて3つの方法があります。
このストレッチは、同じ姿勢をある一定秒数持続して行い筋肉を伸ばすストレッチです。
また、ストレッチとして基本的に行われる方法はこの方法が一番多いと思います。
このストレッチは笛やリズムなどに合わせて、反動をつけて行うストレッチです。
よくあるのが「イチ、ニー、サン」と掛け声に合わせて反動をつけて行う方法です。
このストレッチは基本的に全身を様々な方向へ動かすストレッチ方法です。
また、日本では体操と言う位置付けになっています。代表的なのは「ラジオ体操」「ヨガ」などもこれに属してくると思います。
この中でも2のバリスティックストレッチは、伸張反射という反射を引き起こしやすいことが有名で、1のスタティックストレッチと混ぜて行われる場合が多いのですが、この伸張反射を引き出してしまう結果、筋肉の収縮を引き出してしまうので、強くはオススメができません。
「伸張反射っていつ?どんな時に?どうやって起きるの?」
では、本題のスタティックストレッチについて解説をします。
スタティックストレッチの現場利用
山口らの研究(2005年)では、スポーツ実施者107人にスタティックストレッチを行なっているか聴取したところ、98%が行なっているとされています。
その理由は、ストレッチと言われれば誰もが単純に筋肉を伸ばすと言う概念を持っていることから、方法が簡易なこのストレッチは非常に単純で伸ばしたい筋肉を伸ばす方法であることからこのストレッチを用いることが多くなると考えられます。
スタティックストレッチの方法と効果
方 法
1:このストレッチは、対象の筋肉が伸ばせる姿勢で、一定時間その姿勢をキープして筋肉を伸ばします。
2:ストレッチの強さは、軽く伸ばされていると感じる程度で行うようにして下さい。
3:目安秒数は、10秒以上30秒以内で行います。
ではこれら3点の内容を研究と効果を裏付けて説明をします。
効 果
谷澤ら(2014年)が報告しているように、一定時間筋肉を伸ばせる姿勢でキープすることで関節可動域が拡大することが可能です。
この理由は、同一姿勢のキープによって筋肉の収縮に関わるγ運動神経やα運動神経、Ib神経に対しての感受性が低下し、さらに同一姿勢をキープすることで筋肉はさらに引き延ばされることで各関節の可動域が拡大することが知られています。しかし、痛むような強度で行うとこれらの神経が逆に興奮して筋肉が断裂などをしないように関節を曲げるように収縮し、ストレッチの目的でもある関節可動域の拡大を行うことができなくなります。また、筋断裂などが起きると下記の写真のように体の各関節が曲がり、体自体の逃避反射も敏感になり体を丸めるような姿勢が優位となり、関節の可動域は拡大されにくくなってしまいます。

これらの結果から、痛みが出ない程度に行うようにして下さい。
痛むまで実施することで、必要な秒数まで実施できずさらに前述した神経作用を過剰に引き出すようになってしまい、伸張反射を誘発させ筋収縮を起こし本来の目的である関節可動域の拡大を行うことができない状態となってしまいます。
そのため、適宜な強度で行うようにします。
3:目安秒数は、「10秒以上」「30秒以内」で行います。
このことは、研究でも報告されていますが、基本的に10秒以下では筋の活動や、柔軟性などの観点から効果が無いと言われています。
市橋(2015年)の研究報告では、David Behmらの研究を元に下記の表を作成しその実施時間と筋力筋パワー%変化率を示して、スタティックストレッチの実施秒数と、筋力の関係について時間が過剰になればなるほど筋力によって利点がないことを説明しています。引用:市橋則明(2015)「ストレッチングのエビデンス」
このように、スタティックストレッチは30秒以上行うと筋力の低下を招きやすい傾向にあるため実施する秒数については、基本的に30秒以内で設定することが望ましいと思われます。
加えて、スタティックストレッチの実施時間とパフォーマンス結果などとの結果を比較して、効果検証を多数行い報告されています。
これらも市橋の研究内容と同様に、実施する時間が長くなればなるほど、パフォーマンスの結果が低下すると報告されています。
そのため、関節の可動域の改善が見込める10秒から、筋力やパフォーマンスに影響を与えづらい30秒以内で実施することが望ましくなります。