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今回は視覚情報の処理には、よく腹側路の経路について解説されることが多いです。

しかし、もう一方で必ず必要となっている経路があります。

それが中脳の四丘体にある、上丘(superior cdliculus)と言われる部位を通過する神経です。

今回はこの上丘の部位と視覚との基本的な解説を行います。

では、よろしくお願いします。

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 上丘の位置

まずは、「上丘」の位置について理解しましょう。

上丘は英語でSuperior Colliculus(略:SC)と言われます。

位置は中脳の後方部分にあります。

脳を垂直に切り開いた図になります(矢状面図)。赤丸で示す部分が今回解説をさせて頂いている、「上丘」になります。

※赤丸の上部分の出っ張りが「松果体」であり、その下の出っ張りが「下丘」になります。

そして、下の図は水平断面(水平面)で、下記の中継部分が上丘を示すようになります。

 

上丘はこの図の紫丸部分が上丘になります。

この上丘は、人の胚葉では3ヶ月時点で目立ちます。

このように、上丘は3ヶ月時点で発達していることから、より古来の生物でも発達していることが予測できます。

のちに、この話が重要となってきますので、このことについては覚えて頂きたいです。

しかし、3ヶ月以降は大脳や小脳の発達によって、上丘は覆われていき間脳と共に脳表面かた隠れるようになってしまいます。

 

位置について把握できたところで次は、上丘がを経由する神経経路について「腹側路」と「背側路」の神経経路を解説させて頂きます。

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 上丘を経由する視覚神経路

 

引用:Rubin jure. Autism pathogenesis:the superior colliculus.hypothesis and theory articel. Front. Neurosci., 09 January 2019 

上の図は、Rubinによって報告さている神経経路です。

右は腹側路を示しています。

左は背側路を示しています。

 

・一般的に知られているのが、左図のように後頭葉の一次視覚野へ情報が伝達される経路の腹側路(What)です(左図)。

 

今回解説している「上丘」が関係しているのは、右図の背側路(Where)になります。

 

 視覚の腹側路と背側路の神経量

これらの神経比としてはWhatが6、Whereが4と経路の神経量では約6:4と言われています。

引用:苧坂 良二;視覚行動論の基礎〜上丘を中心として〜

 

神経量の比較においては、腹側路が勝ります。

しかし、脳への伝導順番は、腹側路より背側路が早く伝達されるようになっています。

 

 上丘が関係する背側路の特徴

画像解像度は、腹側路より低下します。より背側路は瞬時な視覚情報(色彩変化や光量変化など)に機能の重点さをおいており、敏感に反応するようになっています。

この機能はほとんど無意識下で完結されている機能で、より腹側路より先行して機能します。

また、この光に対して反射的に機能し、無意識下で機能していることから、これらをまとめて「Pre-attentive:前注意処理」として機能しているとまとめて報告しているものも多くあります。

 

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 上丘の機能について

・視覚刺激と眼球運動

多くの専門書などでは、上丘の存在とその役割について光刺激に対する眼球運動や、身体の反射運動に関与するものだと言われています。

※下丘は、聴覚反射に反応すると言われています。

上丘の機能は、GolbbergとWurzの研究報告があります。

GolbbergやWurzは、下記のようにアカゲザルに対して研究を行いました。

 

第1段階

ある点を見つめてもらい、その後に異なる画像へ移動させると上丘がどのように活動するか、上丘上層に関連する379個の単一細胞の、視覚刺激受容に伴う上丘の活動電位の測定を行いました。

その結果、87%の視神経細胞はそれにつられて正の反応を認めたと報告した。

このとこより、視覚に対して機能しており、移動することで多くの上丘に存在する細胞は活動を示す。

※加えてAnserは、上丘は視皮質より粗い画像分析を行えることを報告してい ます。

 

第2段階

上丘の反応が、慣れや、強い注意など心理的要因によって変化するかを確認しました。

その結果、慣れや、強い中などの心理的要因(記憶や感情など)によって、視覚から受ける上丘の活動が修飾されることを明らかにしています。

このことにより、大脳辺縁系などとの神経伝達を受けており、それらによって前注意処理において過剰に反応するものと、反応しないものの制御的機能を発火させて効率性を改善していると考えられます。

 

第3段階

上丘の中間層に置いて、眼球のSaccade(飛躍運動)に先立って興奮が生起すると報告しています。

この研究によって光や色彩などの変化に応じてsaccadeよりより早く、敏感にまたは同時に反応するようになっていることが考えられ、この結果から前注意処理(pre-attention)と言う概念が形成されています。

第4段階

これらの上丘の細胞に対して、微小電極を逆利用して、破壊的電流を送信し局所的に上丘部分の神経細胞を破壊しその後の上丘の活動電位を測定しました。

その結果、Saccadeの潜時が増大する以外に大きな変化を認めませんでした。

そして、電極の大きさをさらに大きくしてより大きな破壊を行うと前述した「潜時のみの低下」ではなく他に、何にかしらの問題が出現するかを確認しました。

※潜時とは:英語でLatencyと表記されます。そして、これおは反応時間より広い概念で、人以外の動物の反応や、行動ではなく生理指標として観察される反応についての反応時間として表される言葉。

その結果、潜時の他に眼球運動が不正確になったと報告しています。このことにより、より上丘が視覚刺激に対しての反応時間の低下と、眼球運動の障害が出現すると言うことを明らかにしています。

 

ここまでの解説から、視覚刺激に対しての反応を上丘は視皮質より前段階で行ない、感情や記憶などとの関連がありそれらによって注意の強度などについて効率的に行うようにしています。

また、眼球運動も司っており、上丘が損傷されることで眼球運動にも問題が出現することを裏付ける結果となります。

さらに、上丘は注意の移行と潜時そして、視空間の刺激に対して眼球運動や頭部の運動が協調的に働いていることを報告しています。

これらのことから、光や色彩などの変化を敏感に感じとり、大脳辺縁系との関連性をもつ、眼球運動と同時に頭部の運動をどのように行うべきか判断させて運動野へ伝達を行います。

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 視覚刺激と体性感覚

この視覚刺激と体制感覚は、上丘の関係が非常に重要視されています。

Ebbesson(1970)は、1960年代以降の新しい解剖学的文献を集めて、脊椎動物(魚類、哺乳類、鳥類、爬虫類など)の多くの視覚系の図式的解剖を行なっています。

全ての脊椎動物において、上丘は視覚の神経経路として、神経的機能を果たしていました。

このことにより、視覚系において上丘(視蓋)が非常に重要な役割を果たしている可能性があることを報告しました。

そして、この上丘はあらゆる上行性神経や下行性神経の中継点として機能しており、視覚系の「交差点」と表しています。

引用:引用:Ebbesson S.O.E.1970. on the organization of central visual pathways in vertebrates.brain,behavior and evolution,3.178-194.

そして、年月は少し経過して1979年にGaitherとSteinの研究によって、上丘の機能についての体性感覚との関係についての報告がされました。

研究内容は、前述したように脊椎動物であれば、概ね上丘について神経経路の変化を伴わないことを前提に、イグアナに対して実施した報告でした。

イグアナ11匹に対して電極挿入を行い6匹に電極挿入を成功させました。

その挿入した電極は左上の図のように上丘の外側から1〜6に分けて挿入されました。

そして、その電極によって①視覚の走査活動(眼球運動)を光を発射する部分を右上の図のように1〜6に変化させて試みました。②では触覚刺激を入力することで上丘の活動電位を測定するようにして触覚との関係についての分析を行いました。

①の内容については図の右上のように、鼻側より中央を超えた部位で上丘の1とリンクして反応を示しました。そして、それは、外側に行くに連れて上丘の2から6までリンクして反応を示すようになり、こめかみ部分で上丘の6とリンクして反応を強く示すような結果となりました。

②の内容では図の下のイグアナの絵で示すように、腹部に対して触覚刺激を入力すると、上丘の1の部分に反応。そして、前足部分の触覚刺激入力を行うと上丘の2の部分が反応を示した。このように図の下に示すようにイグアナの体表に対して感覚入力を行うと、それが、図の左上の上丘の1〜6にリンクして反応を認めるような結果を得ることができました。

①の研究では、前述したように上丘が眼球運動と関係性があることを報告した内容になる。そして、今回のテーマでもある上丘と体性感覚における内容について②の研究で証明される結果となっています。

そのため、多くの上丘部分が損傷されるような脳出血や脳梗塞などにおいては、眼球運動と体性感覚の協調性と相互性に歪みが生じることによって、嘔吐や悪心、めまいなどを伴うような症状が出現することも推測できます。

 

 まとめ

ここまでの解説から、このような機能をもつ「上丘」が損傷されると、光や色彩の変化などに鈍感になりさらに、本来の腹側路との相互的な機能についても歪みを生じる結果、視覚情報の処理過程をうまく行うことができずさらに、頭部と眼球運動の協調性低下から視覚に障害を認めるようになります。

また、最後に記載したように体性感覚と上丘の相互的機能の役割があることによって、体性感覚の入力と上丘ならではの前述したような視覚から入力される情報とに歪みを生じる結果、上丘を損傷するような疾患(脳卒中など)においては、嘔吐や悪心まためまいなどを伴う危険性があります。

本日も最後まで、読んで頂きありがとうございました。