本日もkaradasapo-to.comに訪れて頂きありがとうございます。
今回は、運動麻痺などで用いられる装具についての記事を作成します。
なお、今回はみなさんが熱可塑性のプラスティックさえあれば簡単に作成の行える「短対立スプリント」についての作成方法について実際の写真を用いながら解説を行います。
また、この装具についての適応についても作業療法士としてお勧めできる、運動麻痺の程度について解説を行います。
では、早速ですが解説を進めます。
短母指対立スプリントの適応
脳卒中患者様の場合
基本的にはBRSがstageⅢの状態から活用することができます。
尚、屈曲共同運動、連合反応が強い場合はスプリントの縁部分から皮膚にかかる圧部分に注意する必要があります。
写真の赤線で示す部分になります。
面どりや縁どりをしっかりと行い、フィッティング評価を行うようにして下さい。
また、装着時間の検討なども行うことで、適応に応じて使用することが必要です。
その他の疾患による運動麻痺に対しては、
・握ることはなんとかできるが、離すことが筋肉の緊張などによってうまく行うことができない。
・また、手指の運動を行うとその他の前腕は肘、肩関節の努力量が増してしまう。
そのような症状がある方は、一度試みることもいいかと思います。
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短母指対立スプリントの効果
この装具はの効果は・・・
母指球筋の筋緊張を抑制すると共に、短対立スプリントと言うこともあって母指と示指などの母指以外との対立を行いつまみ動作の補助を行うことができます。
また、母指球筋の緊張緩和を行うことで前腕の回内運動の抑制および手関節の屈曲運動などの抑制など行い、手指部分の動作を補助する役割があります。
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短対立スプリントの作成手順
準備するもの
・鍋
・熱可塑性のプラスティック
・ベルクロ
・留め具
・プラスティックをカットできるハサミ
これら5点を用意します。
作成手順1
線画を描く。
まずは、この写真のように長方形のプラスティックを用意します。
そして、母指と示指先端の部分と合わせて、それぞれの指の先端部分から写真のように直線を描きます。
次に、前述で説明した線部分を裁断して、
プラスティックを正方形にします。
その後、角の一点を上記の写真のように母指の先端に合わせて、母指の付け根部分に印をつけます。
今回の写真では、ピンクの丸点が付いています。
作成手順2
裁断を行う。
上記の写真のように、まずは母指の印をつけた部分に向かって、楕円型のように裁断を行います。
その後に、向き合う一辺を直線に裁断を行います。
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作成手順3
プラスティックを軟化させる。
鍋にプラスティック全体が完全に浸かるように、水を入れてお湯を作ります。
※注 意
あまりにも高温に温めると、火傷などに繋がるため約60程度を目安に行う。
または、用いるプラスティックが何度が目安であるか、業者または取り扱い説明書などを確認して行うようにして下さい。
お湯が完成したら、裁断まで行なったプラスティックを鍋に入れます。
上記の写真のように、プラスティックが透明になるまで温めます。
または、柔らかくなるまで温めます。
今回の使用例は「アクアプラスト」を用いて行なっています。
作成手順4
型取りを行う
温まり透明になったら、そのプラスティックを取り出します。
そして、上記の写真のように
カットした部分に示指から小指までを通します。
母指は上の水平に裁断した方へ通します。
上記の写真のように、青線と赤線部分を合わせるようにして
ピンク線部分で母指を包みこむようにします。
赤線と青線で重なった部分のは餃子の縁のように重ねるようにします。
ぴったり合わせるとシワができやすくなると共に、
強度が低下するためあえて重ねるようにします。
そして、この写真のようにして固めます。
作成手順5
縁取りと裁断を行う。
プラスティックが固まれば、次に手に合わせて余分な部分の裁断を行います。
左の写真で示す母指部分の余剰分を裁断、母指の背側部分の接触している部分の縁取りを行います。
また、手のひら側は右の図で示すように母指球筋に合わせて裁断を行い、母指の動きと皮膚にかかる圧を調節して裁断を行うようにします。
作成手順6
最後に固定するための留め具とベルクロを使用して固定できるようにします。
今回は革細工などに用いられる蝶番を使用して、プラスティックにキリなどを用いて穴を開けて固定できるようにしました。
完成!!!
完成するとこのようになります。
まだ、母指の付け根部分は圧が強いため、もう少し縁取りを行なってもいいかもしれません。
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まとめ
今回は短母指対立スプリントについての適応と作成手順について解説を行いました。
作成手順を覚えれば、容易に作成することが可能ですのでぜひ必要があれば今回の作成方法を参考にして頂き、臨床に生かすようにして下さい。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。