本日もkaradasapo-to.comに訪問して頂きありがとうございます。
運営管理を行なっている作業療法士兼、整体師のUNLです。
本日は、前々回と前回の
この2つの記事に続いて・・・
下頭頂小葉を構築する「縁上回」について
・部位と血液供給
・縁上回と関係とある神経回路
・道具使用時に機能を発揮する?
について解説をさせていただこうと思います。
では、早速ですが解説に移ります!!
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縁上回の部位と血液供給
まず、縁上回の部位はIPL(下頭頂葉の角回)の前下方に位置しています。
イラストでは緑の点丸で囲った部分
が縁上回になります。
この図で示すように縁上回とは角回と一緒に
下頭頂小葉を構成する一部分です。
位置を覚えやすく
Brodmannの脳地図では40野となります。
この部位の血液供給は、
中大脳動脈(MCA)
と言われる血管で行います。
ここまでで、位置や血液供給をどの血管を利用して行うことができたでしょうか?
・位置はIPL(下頭頂小葉)の前下方部分。
・下頭頂小葉は角回と今回説明している縁上回で構成される。
・Brodmannの脳地図では40野。
・血液供給は、中大脳動脈で行う。
この4点の説明を行いました。
ここから、今回の主テーマでもある縁上回が道具使用時に機能することについての解説をイラストと文献を使用して解説をさせていただきます。
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縁上回と関係のある神経回路
縁上回は神経経路としてイラストで示すような神経経路を代表的に持っています。
縁上回から前頭前野
縁上回から上側頭回
縁上回から上側頭溝
縁上回から島皮質
これらの神経回路から
縁上回の役割は、大きく2つに分けることができます。
1)道具の使用に関わる
2)注意機能に関わる
この2点について重要な役割を果たしています。
今回の記事では、
「道具の使用に関わる」について
・神経経路の説明
・どう影響を与えているか
の説明を行います。
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道具の使用と縁上回
森岡は縁上回は
「道具を用いた行為の使用、
そしてその予測に関わっている」
と報告しています。
引用:リハビリテーションのための神経生物学
この著書の中では、これだけで終わらずさらに解説が進められています。
・行為概念系
・行為産生系
の2つに道具使用の過程を分けて解説されています。
ここからはこの2つの関係について解説を行います。
まずは・・・
「行為概念系」
からの解説を行います。
行為概念系と行為産出系
行為概念系とは
1:その道具の持つ機能について知識
2:道具を使用する方法についての知識
3:個々の行為をひと続きのものとして系列的に扱うための知識
この3つからなることを紹介しています。
例えば、箸を使用して食事する場合は
などと言ったある活動においての
・道具の知識
・道具の使用方法
・道具を使用して一連の活動を成り立たせる
ような機能が縁上回にはあります。
これらの機能特性があることから
縁上回の障害が起きることで
各種失行が出現する可能性があります。
さらにこれらは・・・
優位半球での出現頻度が高いです。
このことは、優位半球の下頭頂小葉の脳面積が劣位半球と比較して大きいことからさらに、言語野も同様のことが言われていることからこれらの結果、道具に対しての言語的な説明などができないことさらに、後に解説する島皮質との神経回路の影響によってこれらの障害が出現しやすくなっています。
参考文献
観念運動失行や観念失行の違いは
こちらのページにリンクして頂き下部へスライド
して頂ければ記載してありますので
ぜひ!参考にして下さい。
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行為産出系とは
脳内経験(記憶や感情など経験)を含めて、
どのうように動作を行うと
効率よく行うことができるかなどを企画して、
企画した内容を行為に移すような変換する
ような機能を有していると言われています。
ここで感じるのは縁上回ってどうやって
記憶や感情と繋がる経路があるの?
ってことですね。
これは、イラストで示すように
縁上回と連絡し感情や記憶などの辺縁系と
関係があるのは、島皮質です。
このとは、
・Szymon Pら
・Paulesu Eら
の研究によって縁上回(BA40)とBroca(BA44/45)の間に島皮質を経由することが報告されています。
参考文献
・Is developmental dyslexia a disconnection syndrome? Evidence from PET scanning. Paulesu E et 1996
ここで島皮質の詳細な説明は今回行いませんが、
簡単に説明を行うと島皮質から帯状回を通じて、
辺縁系(記憶や感情の中枢)との強い繋がりがある
ことが既にいくつも報告されています。
これらによって、
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚
などの五感で捉えた感覚の統合処理を行い
縁上回から島を経由することで
感情の発生を生み出します。
そして、それに合わせて言語の声量などの
感情表象の程度が変化します。
そして、その感情表象の程度がOKか
前頭葉で抑制、強化するべきかどうかなどの
判断を行うようになります。
このことによって、記憶から生まれる感情と
感覚から生まれる感情の統合を
縁上回と島皮質で完成させています。
まとめ
今回は縁上回の位置また血液供給はどの血管を通して行なっているのかについて。
縁上回と道具使用について、行為概念系と行為産出系について分けて神経経路のイラストを使用して解説を行いました。
本日も、最後まで読んで頂きありがとうございました。