下頭頂小葉角回

本日もkaradasapo-to.comに訪問して頂きありがとうございます。

運営管理を行なっている、作業療法士兼、整体師のUNLです。

今回は前回の

完全無料!上頭頂小葉機能を図解で解説。

完全無料!下頭頂小葉を図解で解説。

に引き続き

「下頭頂小葉の角回について」

部位と神経経路と機能について

解説を行います。

 

では早速、解説を始めたいと思います。

よろしくお願いします。

 

 下頭頂小葉について

頭頂小葉の分割図

下頭頂小葉の位置は図のOpt、PG、PFG、PFのことを示します。

 

上頭頂小葉の下部に下頭頂小葉が位置しています。

Brodmannの脳地図では角回が39野、縁上回が40野と言われています。

 

 下頭頂小葉の構成

下頭頂小葉は大きく分けて

縁上回(40野)

角 回(39野)

の二つの神経細胞体によって構成されています。

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 下頭頂小葉の機能

森岡は大まかに下頭頂小葉の機能について、

五感を統合し概念を生み出す場所と言われています。

引用:森岡 周 リハビリテーションのための神経生物学入門

♦五感とは

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の5つの感覚の総称

上頭頂小葉は

姿勢図式に関与しており皮膚、関節からの感覚情報を処理して、触覚的な空間位置と運動を識別すると同時に自分の身体の姿勢パターンを全体として捉える機能があります。

それに対して

 

下頭頂小葉は

身体像に関与しており、体性感覚視覚の両方に反応。

そして、視覚的イメージを伴った身体像の形成に関与すると言われています。

 

要するに

上頭頂小葉

視覚の傾きなどによるバランス調節機能

 

下頭頂小葉

自分の言語化された身体ポーズの形成機能

いわゆる視覚で捉えたものの動作の真似など個々の認識に左右されるようなパントマイム的な動作に対して関与します。

 

このように、それぞれ上頭頂小葉と下頭頂小葉の働きは区別することができます。

では、ここまでで大まかに下頭頂小葉については理解できたと思うので角回に重きを置いて説明を行います。

 角回の位置について

頭頂小葉の分割図

角回は先に述べた下頭頂小葉の部位の

PGとOptに属します。

聴覚伝導路

簡単に説明すると上のイラストのように縁上回の後方に位置します。

 

この部位が障害されると一体どんな症状が出現すると言われているかご存知でしょうか?

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 角回が障害されると

ダメージ

ここは、障害されると

失 算

失 書

失 読

という高次脳機能障害が出現すると言われています。

 

こちらの井堀らの論文でも角回の病変

失読、失書についての過去の論文などから、

上記の責任病巣について解説されているため、

興味があればリンクを貼り付けておきますので参考にして頂きたいです。

井堀(2016)頭頂葉病変による読み書き障害

この論文で過去の研究解説されているが、

角回病変では視覚の影響は受けづらく

その結果写し書きのような

写字動作では、障害がほとんど出現しない

と言われています。

 

 上頭頂小葉と下頭頂小葉、頭頂間溝領域の関係

MRI

一見視覚からの情報を受け取る上頭頂小葉からの神経経路でもある、下頭頂小葉が障害を受けると、視覚などの問題を大きく受けないのかと考えがちだと思います。

しかし、上頭頂小葉からの神経経路は下頭頂小葉にいく神経経路だけでなないため、視覚の問題は大きく出現しないことが多々あります。

この症状について、下記の図を用いて説明を行います。

聴覚伝導路

この図では聴覚の神経路を赤矢印で表しています。

まずは、この神経経路について理解をして下さい。

ウェルニッケ野から角回の神経伝達には、弓状束(posterior segment)が神経伝達を行うようになっていると報告されています。

詳細は下記の引用を参考にして下さい。

参考引用

Catani M, Dell’Acqua F, Bizzi A, Forkel SJ, Williams SC, et al: Beyond cortical localization in clinico-anatomical correlation. Cortex 48: 1262-1287, 2012 

このように、角回はウェルニッケ野からの情報を処理する機能があります。

ウェルニッケ野とは、言語という媒体の意味的な認識するのに、非常に優秀な機能を携えてる部位です。

そして、このウェルニッケ野と言う部分が人間は発達しているからこそ、言語を意味を持たせて返して言葉を交わすことができています。

 

そして・・・

視覚と体性感覚の統合した情報

上頭頂小葉から下頭頂小葉に送信

 

言語の意味的情報

ウェルニッケ野から下頭頂小葉に送信。

 

これら2方向からの情報

下頭頂小葉は情報統合を行い概念の形成を行い

その結果これが何であるかを人は認識し

そこで初めて視覚で捉えたものが

何であるかを概念化することができます。

 

※概念とは

簡単に説明すると「〇〇とはこういうものだ」と特徴を捉えて説明をする文面のことを示しています。

例えば、三角形と言われて概念に当てはめると「三本の辺があり角が3つある形のこと」などと言った説明文のようなものを概念と言います。

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 角回と運動麻痺の関係

このことは、上頭頂小葉が

視覚

体性感覚(表在、深部感覚)

の処理を行うと述べた通りです。

通常であれば前述したように角回部分で

イラストの赤丸のように出血が起きると、

視覚や体性感覚までもが大きく障害される

ような認識を持ちやすいです。

しかし、そうはなりません。

それは

イラストのように上頭頂小葉は

角回方向(イラスト上頭頂小葉から青矢印方向)

頭頂間溝方向(イラスト上頭頂小葉から赤矢印方向)

の2方向の神経経路を携えています。

 

上頭頂小葉は

視覚野

一次感覚野

からの情報を受けとった情報を・・・

 

上頭頂小葉は

運動内容に限局して

上記のイラストのように角回部分で

出血や梗塞などが起きても

頭頂間溝領域へ神経伝達をします。

 

そしてその受け取った情報を、

前頭葉方向へ伝達する神経経路を持っています。

 

そのことを根拠に、

角回の脳出血や脳梗塞を発症し

出血や梗塞範囲が大きいにも関わらず

失算、失書、失読などの症状が出現していても

明らかな運動麻痺や感覚障害などが著名に出現せず

視覚においても問題のない患者様がおられます。

 

それらより、廊下などを歩行していても、視覚からの情報は

IP部分から前頭葉へ情報が送信されるため

柱やドアなどを避けて歩行することができます。

 

また、森岡は

左半球の下頭頂小葉は右半球と比較して

6〜7倍ほど大きいと説明しています。

 

これらのことから、大きな出血であっても

左半球の損傷は前述したような症状が出現し、

身体所見における運動麻痺などと言った症状は

軽度または出現しにくい可能性が考えられてます。

 

身体所見として障害が現れにくいものの、

言語の概念形成に対しての障害が

ウェルニッケ野から直接神経送信を

角回は受ける部位であり、

言語(文字)の概念が形成されにくくなり、

視覚や体性感覚的に分かっているのに対して、

言語を交わして意味的な枠組み形成を行いづらくなり、

読む、書く、計算するといった行為を行うことが行いにくくなります。

場面例

例えばこの写真をご覧下さい。

上頭頂小葉の機能のみでは、電柱があって、車が走っていて、信号が赤く光っている程度の認識を行うことは

できます。

そこに角回の機能が加わることによって、電柱は「電線を走らせる柱」、車は「歩くより早く人が移動できる物」、信号は「車や歩行者の移動を誘導する物」と言ったそれぞれの物に対しての概念が形成されます。

なので観念失行や観念運動失行の病巣としても注目されています。

※観念失行と観念運動失行

♦観念失行

系列動作を行うことができない

例:りんごを切ろうと思っても、実際場面に包丁とりんごを出しても、包丁はわかるけどそもそも包丁が何をするものかわからず、りんごはこれだと分かっても、甘い果物でこうやって切れば美味しく食べれるなどと言った概念が抱くことができず、実際の動作を行うことができません。

♦観念運動失行

指示に従った動作を行うことができない

例:観念失行のように自分でりんごを切ろうと包丁を取り出し、りんごを切ることはできます。しかし、とっさに人から包丁を使ってりんごを切って下さいと言われても、角回部分特有のウェルニッケ野からの情報送信内容が統合されず、指示されていることの概念自体が形成されにくく行うことができません。自発的に行う分については、海馬などの辺縁系の機能が補うためにできます。

これらによって、失算、失書、失読と言う言語や数字を

返したような障害が主として出現し、数字の表す意味、文字の概念形成の歪みからこれらの症状が現れやすいです。

 

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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