自主練習で運動学習を図るには?リハでの練習法の違いについて

練習法

本日もkarasapo.comに訪問して頂きありがとうございます。

 

運営管理を行っている作業療法士のUNLです。

 

本日は、リハビリテーション分野におけるリハメニューにおける運動学習の基本となる練習法についての記事です。

 

先日から運動麻痺の自主練習について記載させて頂いています。

そのため、運動学習による

スキル獲得や改善に向けて

リハビリテーションや自主練習を

構成する場合に意識して患者様やお客様に

今回の内容がより良いサービス提供できる

思い今回も記事にさせて頂きます。

 

では、早速ですが今回のテーマであるリハビリテーション分野における練習法について解説をさせて頂きます。

 

よろしくお願いします。

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 練習を行う動作がどうあるべきか考える

自主練習はもちろんリハビリテーションなどの

構成内容ついてですが・・・

基本は行った内容が、保持されるべきであって

さらに、日常生活での応用や行動変化を期待します。

 

また、練習した動作が

遅延テスト」や「転移テスト

(performance-learning distinction)

で学習されて保持されているかを評価することができます。

 

この保持や応用などのスキルの獲得に加えて保持、応用動作の獲得は・・・

 

・練習法の違い

・フィードバックの影響

・疲労の影響

 

この3要因で考えられています。

 

今回はこの3つの中でも

練習法の違いについて

解説をさせて頂きます。

 

では、説明を行います。

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 ブロック練習法(blocked practice)

このブロック練習法は、

同一課題を連続的に行い

その課題が終了したら

次の課題へと移行するような

動作練習のことを示します。

 

(例:コップの運搬動作を連続して行い終了後、皿の運搬を連続して行い終了後、皿を把持して箸を使用して運搬動作を行う)

例のように一つの練習を数回に渡り連続して行い、その終了後に次の課題へと移行するような練習法のことを示します。

この練習法の効果として、

行動変化(練習やリハビリテーション時に麻痺手でコップを把持し運搬しようとする、皿を運搬する)は得られやすいです。

しかし、保持はされにくく実際の生活場面(例でいう食事動作)までの応用や転移は効きにくいとされています。

 

そのため、動作練習を行う段階であればいいです。

しかし、生活へ転移させてさらに保持や応用と言った場面の回復を図る場合はこのブロック練習法は不向きになってきます。

 

 ランダム練習法(random practice)

ランダム練習法は、ある動作(例:食事に必要な動作)をランダムに行うようにするような動作練習のことを示しています。

(例:コップの運搬、皿の運搬、皿を把持して箸で摘む練習、コップの運搬、皿を把持して箸で摘む練習、皿の運搬)

例で示すように課題を順番をランダムに行うようにする練習のことを示しています。

この練習法での効果は、行動変化(例で示すようにコップや皿の運搬をしようとする)は得られにくく、行動変化は比較的ゆっくりであるとされています。

しかし、一連の動作の保持は良好でありまた、実際の食事場面での応用や転移性が高いと言われています。

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 一定練習法(constant practice)

一定練習法は、練習動作をある一定の速度や重量、回数など環境を一定で行う動作練習のことを示します。

(例:コップの運搬動作練習を形状や素材、重量や運搬位置、運搬速度は一定で練習する。)

 

この練習法はブロック練習法と同様で、行動変化(そのコップを運搬する動作)は獲得されるが、保持や応用などの獲得には不向きであるとされています。

そのため、コップの形状が異なると練習同様の重量などでも上手く運搬することができなくなるなどと言ったような現象が起きやすいとされています。

 

 多様練習法(varied practice)

多様練習法は、練習動作環境を変化させて毎回行うようにする動作練習のことを示しています。

(例:形状のことなるコップを6つ用意してそれらの運搬動作を行う。このように多様な環境に、同一課題を設定して行って練習する。)

 

この練習法はランダム練習法と類似しており、行動変化(機能的な回復)にはブロック練習法や一定練習法より、時間を要すると言われています。

しかし、保持されやすく、生活場面での応用や転移性は高いと言われています。

 

このように大きく分けて4つの練習法が存在します。

 

 練習法の使い分け方法

日常生活へ早く転移させたいからと言って、いきなりランダム練習や多様練習をすればよいということではありません。

 

実際に目の前の患者様やお客様がどの段階にあるべきか見極める必要があります。

 

基本的には、初期の段階はブロック練習や一定練習を行うようにして量を稼ぐようにします。

そして、それらが概ね患者様やお客様が満足して行える状態となれば、ランダム練習や多様練習へ切り替えていく必要があります。

 

また、ランダム練習や多様練習へ移行する段階へ来た時に、ランダム練習と多様練習を同時に行うこともあまり難易度の過剰な上昇によりオススメできません。

 

基本的には、ランダム練習を行いその後に多様練習を意識してランダム練習の難易度調節を行うような形で多様練習へ移行できればいいかと思います。

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 まとめ

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

リハビリテーションや自主練習は運動麻痺などの身体機能や高次脳機能に応じて、ブロック練習、一定練習、ランダム練習、多様練習の4種類の練習法を使い分ける必要があります。

 

そして、これらによってリハビリテーションや自主練習は構成する必要があります。

 

引用文献

Schmidt RA . Wrisberg CA : Motor Learning and Performance. 4th Ed, Human kinetics Champaign,IL.2008

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