本日もkaradasapo-to.comに訪問して頂きありがとうございます。
運営管理を行っている作業療法士のUNLです。
今回はお客様より・・・
自主練習について
いろいろと疑問の声が聞かれました。
強調しておきますが・・・
生活期では必ず必要になりますので
確実に行うことを進めます。
今回は最初ということもあるので
「運動麻痺に対しての自主練習の必要性」
を解説します。
なお、不動期間(動かさない期間)によって
「どのように脳神経は変化するのか」
などの解説を含めて
「自主練習の必要性」
について理解して頂ければ幸いです。
では、よろしくお願いします。
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不動期間と脳神経
不動期間とは・・・
「運動麻痺により動かせなくなる」
「治療などによる固定し動かせなくなる」
その期間のことを示します。
この不動期間と脳神経の研究においては、多数の報告がされています。
Sanes JNらが行った研究では・・・
まず、ネズミのヒゲの神経を切断します。
その後、一次運動野のヒゲ部分の脳神経細胞がどのように変化するかを研究しました。
すると・・・
2週間後にはヒゲを支配している脳の神経部分が
瞼と前肢部分に支配されるようになり、
ヒゲを操作していた一次運動野の部分が
なくなってしまっていました。
引用文献情報
他にもLiepert Jらが行った研究では・・・
末梢神経などに障害のない22人の対象者の
足関節を固定用装具で2週間固定をしました。
そして、その後Sanesら同様の運動野がどのように変化するか観察しました。
すると、2週間後に足関節に相当する運動野が減少していたことを報告しています。
引用文献情報
Change of cortical motor area size during immobilization.
このように、不動期間が数週間に及ぶことによって脳神経では、本来存在していた脳神経や細胞が変化し、他の部位に吸収されるような現象が確認されています。
これを専門的用語で
「脳の可塑性」
と言います。
前二つの報告は
「不動期間に伴い脳神経や細胞が減少する」
報告でした。
ここで気になるのが・・・
「減少した脳神経や細胞領域は回復しないの?」
という点だと思います。
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脳細胞の再編成
結論から述べると・・・
回復する「脳の可塑性」もあります。
代表的な報告として・・・
Nadoらによる研究があります。
この研究ではリスザルに対して人工的に脳梗塞を作り出しました。
その際にどのように脳神経や細胞は「脳の可塑性」をCI療法を用いて生み出すか確認をしました。
すると、脳梗塞を直接受けた部分では上肢を動かしても反応がないものの、他の部位へ大きく手部の部分が脳梗塞になる前より広がる形となり、脳梗塞で失った脳神経や細胞を補うような「脳の可塑性」を構築していました。
引用文献情報
このように、不動期間に伴い脳神経や細胞は反応をなくすものの、再度動かすようにすることで「脳の可塑性」を引き出し、新たに脳の中で運動に必要な部位の再編成を行うような働きが生まれます。
これらの報告からもわかるように、不動期間が長ければ長いほど脳神経や細胞にとっても悪い働きをして数週間で脳は悪い方向へと変化してしまいます。
そのため、可能な限り動かないから動かさないなどをいった習慣で生活をすると、今後必要な運動を取り戻せない確率が高まってしまいます。
また、現在の制度では個別に療法士がついてアドバイスや運動などの支援を行える時間には限界があり、多くても一日3時間程度でしか行えません。
そのため、運動麻痺があるような疾患や治療による固定などによる不動期間が数週間に渡って招いてしまう場合は、医師、療法士などの専門スタッフに相談して頂き、必要な自主練習を行うことで、脳神経や細胞の領域を可能な範囲で維持または、可塑的に脳神経や細胞部分を広げ機能を維持することができるため、自主練習はとても重要な役割を運動麻痺や固定などによる不動期間が生じる場合は重要となってきます。
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まとめ
不動期間が数週間に渡ると、不動に至っている脳細胞や神経は他の関節や部位の運動領域が飲み込んでしまい消失してしまう。
わずかでも動かすことで脳神経や細胞は再編成をする。
リハビリテーションの時間は制度上1日の1/8日(3時間/日)しか最大で受けることができない。
これらからも、自主練習などを行い脳細胞や神経の再編成「脳の可塑性」を促進するためにも、自主練習は細胞、神経レベルで重要な役割を占めています。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。