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管理者の作業療法士のUNLです。
本日は病院ではなかなか治らない筋、関節性の慢性痛について解説する前に筋膜について簡単に筋膜とは?、筋膜の働きについて解説をさせて頂きます。
筋膜とは
この写真は筋膜のある鶏肉(左)と豚肉(右)の写真です。
周りの赤から橙色をしている部分は、人体でも同様の筋肉になります。
左の写真で示す赤線で囲んだうっすらと白い膜
右の写真では赤い部分と赤い部分を繫ぎ止める半透明の膜
のようなものが・・・
筋膜を示しています。
これらの筋膜は一部であり、
後に種類や構造を解説をさせて頂きます。
これらは、人体にも存在しており筋肉の周りを覆うまたは、近年では全身をいろいろな経路で包むように筋膜が存在していると説明されています。
この筋膜は・・・
単に筋肉を覆う、包むなどといった
単純な構造的役割だけを果たしている訳ではないとされています。
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筋膜の構造
イラストで示すように筋膜は
「浅筋膜」
「深筋膜」
「筋外膜」
「筋周膜」
「筋内膜」
のように5種類に分別されるようになっています。
そして、それらを全て合わせて筋膜(Fascia)というようになります。
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筋膜の機能
①筋ラインの区別と伝達
筋肉全体には、前述したような異なるラインが存在します。
そして、その「筋肉のラインを区別する」機能があります。
今回はこのラインについては割愛させて頂きます。
参考程度にこちらの記事を興味があれば、ご覧ください。
また、この区別される筋ラインによって
筋膜は筋肉より収縮や伸張を敏感に察知し、
「筋肉の収縮や伸張が起きたと感じる前段階で神経で体や脳へ伝えるような機能を携えている」
とも言われています。
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②筋膜による伸縮
筋膜は先ほどの画像からもわかるように、
もっとも筋肉に隣接している膜です。
それらは「伸縮する」ような機能を持っています。
さらに、ごく当たり前のように、筋肉の伸縮には神経の関与が
大きく影響しています。
しかし、錘内筋などの一部の筋線維は収縮しないとItoやHessによって報告されています。
そのため、筋膜を支配するような神経によっても筋収縮する可能性もあり、筋膜による伸縮機能は非常な重要な機能となってきます。
また、麻酔を行うと
一次的に神経機能は遮断される
ような神経機能を停止させた現象が起きます。
しかし・・・・・
「筋硬結は変わらなかった」と
SchadeやLangeらによって報告されています。
これらからもわかるように、単に神経の過活動のみでは筋硬結は存在しないという結論になります。
このように、筋膜固有の伸縮機能がしばし不良となる状態があります。
それらによって、柔軟な体が筋膜の伸縮性が低下すると損なわれまた、無理に引き延ばすことで損傷し疼痛などを修復物質が誘導されることで感じるようになってしまいます。
さらに、伸縮性が低下すると代わりに人体では他の筋のラインを用いて、代替え的に動かすようになり他の筋ラインの過剰使用によって疲労物質が蓄積されさらに、疼痛が広がることが考えられています。
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まとめ
今回は筋膜の初歩的な話について簡単にまとめました。
「筋膜は2種類」
「筋膜は筋ラインを区別する」
「区別によって筋の連動性を引き出す」
「筋肉の伸縮ではなく、筋膜固有の伸縮機能がある」
「筋膜の伸縮性の低下によって他の筋で代償が行われる」
などなど筋肉の運動と同様に様々な役割を果たすのが筋膜です。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
辻井 洋一郎 「徒手療法」
肥田 朋子 痛みのメカニズムと理学療法
Schade,H.:Beitrage zur Umgrenzung und Klarung einer Lhre von der Erkaltung.
Lange,M.:Die Muskelharten (Myogelosen),J.F. Lehmann`s Verlag,Munchen.
Ito,F.:The site of origin of biedermann fibrillary twitchings under various conditions.
Hess,A.and Pilar,G.:Slow fibres in the extraocular muscle of the cat.