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karadasapo-to.comの運営を行なっている作業療法士のUNLです。
今回は視覚からの情報を後頭葉へ伝達した後に、どのような経路を通り脳で理解されるようになっているかを、4つの経路に分類して解説をさせて頂きます。
では、よろしくお願いします。
はじめに
後頭葉からの他の脳へ情報伝達を行う経路として
「背側路:whereの経路」
「腹側路:whatの経路」
程度に理解されている方が多いです。
しかし、それだけでは病態の整理ができないことが多いと思います。
そこで今回は後頭葉からの神経経路を4本に分別して解説を行います。
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①動作イメージの経路
概 要
視覚の経路の中でも動作イメージ=視覚性注意と解釈して下さい。
イメージを行う中で何に注意して動作を行えばうまく動作を遂行することができるかを考えるようにしますよね?
そのような意味合いでイメージという言葉が文献では使われています。
神経経路
後頭葉のV1からV2へ情報の伝達を行いそしてV3へ伝達を行い、上頭頂小葉の頭頂連合野背側部へ情報の伝達を行うようにしています。
イラストで示す水色の経路で伝達を行います。
経路障害が起こると
この経路が障害されると活動や動作を行う中で
「どこに注意を向ければ安全にできるか」
などを考えて動作を行うことができない状態になります。
そのため、失敗体験を多くしてしまう可能性があり、精神的な部分についても配慮していく必要があります。
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②空間視の経路
概 要
空間視とは、どの程度の距離感や奥行きがあるのかを理解して捉えるような働きを担っています。
神経経路
後頭葉のV1からV3へ情報の伝達を行いその後、頭頂連合野へこれらの情報を伝達する機能を持っています。
イラストで示すピンク色の経路で伝達を行います。
経路障害が起こると
この経路が支障されると・・・
「物までの距離をうまくつかめない」
状態になります。
そのため、視覚性協調運動障害を発症します。
※視覚性運動失調の症状
視覚で捉えた物を取ろうとしても距離感をうまく把握できず、手が行きすぎる、または手前すぎるなどの現象が起き目的の物をうまくつかむことができないような現象が起こります。
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③運動視の経路
概 要
この経路における運動視とは、
「自分の運動がどんな姿勢で行われているか」
「環境や物がどのように動いているか」
などを捉えるような神経経路です。
神経経路
後頭葉のV1からV5へ運動視についての情報が伝達されその後に、頭頂連合野へ情報伝達を行うという神経経路になっています。
イラストで示す緑色の経路で伝達を行います。
経路障害が起こると
この部位が損傷されると・・・
「実際に動いているものが静止画に見える」
などの症状が強く現れる場合があります。
また、脳卒中の多くの症例では左麻痺になると
視野は問題がないものの・・・
「左半分の空間を認識できなくなる症状」
が現れやすいです。
この症状については医療用語として左半側空間無視という症状になります。
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④色彩や物品の認知の経路
概 要
この認知については例えばペンを見ると多くの場合「ペンだ」と認識することができます。
このようにこの経路は
「物品が何であり」
「どんな色をしている」
など記憶や感情と結びつけを行い物を認識する働きがあります。
神経経路
後頭葉のV1に視覚から情報伝達されると
V2へ情報を送り、
そしてV4へ行き
側頭葉の側頭連合野後部へ
側頭連合野前部へ
情報が伝達されるようになっています。
イラストの赤色の経路です。
経路障害が起こると
この神経経路が障害されると
「物が何かわからない」
「色がわからない」
など、認識するということができず
道具の使用などができなくなります。
まとめ
視覚を司る後頭葉は前述したように
「Where」
「What」
の経路の理解で終わるのではなく、
これら4つの神経経路についても
理解しておく必要が
脳血管疾患などの中枢神経疾患に
関わりリハビリテーションの行う中で
課題、難易度設定を行う上で
非常に重要になってきます。
本日は後頭葉で認識される4つの神経経路について解説をしました。
神経経路として
①動作イメージ
②空間視
③運動視
④色彩、物品認知
これら4つの経路を理解した上で視覚からの情報がどのように処理されているのかまた、評価等を行いリハビリテーションに用いいる道具や環境などの設定を吟味して効率のいい、方針や課題設定、難易度設定を行うことが非常に重要だと思います。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。