外側皮質脊髄路って?経路と血液供給とその機能について

LCT完成画像

本日もKaradasapo-to.comに訪問して頂き

ありがとうございます。

Karasapo.comの運営を行なっている

UNL代表の作業療法士です。

 

脳卒中(脳出血、脳梗塞、外傷性脳損傷など)の

患者様に携わる上で重要な神経路でもある

外側皮質脊髄路についての解説を行います。

 

外側皮質脊髄路は、高草木によって

「脳血管障害の中の運動麻痺でも

      最も損傷を受けている症例が多い」

と報告されていることから治療を行う上では

理解が必須な神経経路でもあります。

高草木 薫

「ニューロリハビリテーションにおける

          サイエンス-臨床と研究の進歩」

引用:運動麻痺と皮質網様体投射 脊椎脊髄ジャーナル(2014.02)27巻2号:99〜105

外側皮質脊髄路を理解することで、

・運動麻痺と同時に感覚障害が出現する理由

・感覚障害の程度によって外側皮質脊髄路が損傷しているかもわかってくる

これらにより、評価や治療において戦略し患者様にいいサービス提供を行うことができると信じて今回記事を作成しました。

 

では、よろしくお願いします。

スポンサードリンク



 外側皮質脊髄路 (Lateral Corticospinal Tract:LCT)

LCT:Lateral corticospinal tract

図引用:アニメで楽しく学ぶ脳と神経のお話

 

 外側皮質脊髄路の経路 

この図で示すように、外側皮質脊髄路とは大脳皮質の

顔面、手、脚の部位の

一次運動野一次感覚野から始まり、

内包部分(主要は内包後脚)を通過し、

中脳の大脳脚を通過し、

橋の橋縦束を通過し、

延髄の錐体部分を通過

錐体交叉へ至って対側へ交叉し、

最後に脊髄の外側皮質脊髄路という経路を通過する神経路のことを示します。

 

Question?

外側皮質脊髄路が損傷されて感覚障害?

 

ここでお気づきになられたでしょうか?

よく感覚障害と言われると、

「視床」と解決される方も

少なくありません。

その理解の仕方では・・・

残念ながら不十分です。

 

今回説明している外側皮質脊髄路は、

一次感覚野(3、1、2野)

からも神経経路が開始

されています。

 

この事により、視床は損傷されなくても

一次感覚野との関係をもつ外側皮質脊髄路

のどこかで損傷が起きると・・・

感覚障害が出現する可能性があります。

 

※しかし、感覚障害がない場合は外側皮質脊髄路はほぼ損傷されていないと判断する知識にできます。

スポンサードリンク



 外側皮質脊髄路の血液供給 

(Blood Supply and Lymphatics)

脳部分では

図からご理解していただけると思いますが、

顔面、上肢下肢

では大脳皮質で、支配している血管が2通りに別れています。

LCTと脳の血液供給

画像引用:脳血管支配(前・中・後大脳、脳底、椎骨、内頸動脈)の役割と機能障害!

他の内包部分などについても図引用のリンクから調べることができるため、ぜひチェックしたい人は確認をして下さい。

 

顔面と上肢に関する外側皮質脊髄路(LCT)は

中大脳動脈(MCA : Middle cerebral artery)

からの動脈により血液供給を受けます。

 

下肢に関する外側皮質脊髄路(LCT)は

前大脳動脈(ACA : Anterior cerebral artery)

からの供給を受けるとされています。

 

運動麻痺の部位から血管を見分ける

この血管供給の関係から・・・

 

顔面や上肢優位に麻痺

=MCAの出血や梗塞が多い

 

下肢優位麻痺

=ACAでの出血や梗塞が多い

とされています。

 

引用:Neuroanatomy, Lateral Corticospinal Tract :Kinaan J

 

脊髄部分では

脊髄の外側皮質脊髄路への血液供給

前脊髄動脈(ASA : Anterior Spinal Artery)

から受けています。

 

なお、前脊髄動脈のイラストは

ScienceDirect Anterior Spinal Artery

を参照して頂ければ確認することができます。

 

脊髄の血管による出血や梗塞に伴う痙性麻痺

これらから、脊髄ASAが出血や梗塞をした場合

その出血部位より下の外側皮質脊髄路の損傷により

痙性麻痺が出現する可能性があります。

 

ただし、脳と脊髄で異なることは・・・

すでに錐体交叉を終えているため

神経障害は同側に出現します。

引用:Neuroanatomy, Lateral Corticospinal Tract  Kinaan J

スポンサードリンク



 外側皮質脊髄路の神経割合 

冒頭でも説明を行いましたが

脳血管疾患外側皮質脊髄路の麻痺が一番多い

とされています。

 

この要因は、Fishman PS1978年の論文で

側皮質脊髄路は・・・

皮質脊髄路の約90%の割合を占めている

Fishman PS. Late-convalescent poliomyelitis.

Corticospinal tract integrity. Arch. Neurol.

1987 Jan;44(1):98-100.

と報告しています。

 

そのことから脳血管障害の好発部位でもある

穿通枝部分での出血や梗塞などでは

外側皮質脊髄路の損傷を受けやすいことから

運動麻痺が出現しやすいような現象が

起きている事が考えられます。

 

 外側皮質脊髄路の作用 

外側皮質脊髄路と運動麻痺

この外側皮質脊髄路は・・・

「大脳基底核による脱抑制により、    4野から精密運動の指令が      外側皮質脊髄路を介して脊髄に達する」高草木 薫 「大脳基底核による運動の制御」臨床神経, 49:325-334:2009

と言われています。

 

これらによって

精密な運動外側皮質脊髄路が実行する

経路として重要であることを覚えて下さい

 

 用語確認!脱抑制とは? 

大脳基底核に存在する線条体より直接路という経路があり、その経路が中脳黒質網様部に働き基底核の働きを現象させるように働くその結果、大脳皮質や脳幹の活動が亢進することを示します。

この説明で経路について、理解できない場合は、高草木 薫 「大脳基底核による運動の制御」臨床神経, 49:325-334:2009を参照されたい。

 

これらから・・・

外側皮質脊髄路脳出血などので損傷される

損傷された部位の対側の

手足の巧緻な動作特に体の遠位部分(手先や足先)

運動麻痺などが出現することになります。

 

外側皮質脊髄路と感覚障害

外側皮質脊髄路の経路でも説明しましたが、

外側皮質脊髄路の始まりは

一次運動野に加えて一次感覚野が関与しています

 

それのため、

感覚情報処理にも関与している

と言われています。

 

これらから・・・

手指や足先に重度な運動麻痺がある患者様は

感覚障害を発症している可能性が高くなります。

 

 外側皮質脊髄路が関与する疾患 

     (Clinical Significance)

外側皮質脊髄路の障害が現れる疾患としては、

1:脳血管疾患(strokes)

2:ポリオ(Poliomyelitis)

3:脊髄性筋萎縮症(Spinal muscular atrophy)

4:筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)

5:ビタミン12欠乏症(Vitamin12 Deficiency)

6:フリードライヒ運動失調(Friedreich Ataxia)

7:ブランセガール症候群(Brown-Sequard Syndrome)

などがあると言われています。

大変申し訳ないですが、今回は外側皮質脊髄路の解説になるため、これらの疾患紹介に留めさせて頂きます。

今後また、記事作成を行いこれらの疾患と外側皮質脊髄路の関係についても解説をさせて頂きます。

 

 まとめ 

今回は皮質脊髄路の外側皮質脊髄路についての解説をしました。

・外側皮質脊髄路は大脳皮質から脊髄までを通過する経路です。

・この外側皮質脊髄路は手足の手先、足先の運動を司る役割があります。

・外側皮質脊髄路はMCAとACAの2種類の血管から栄養の供給を受けます。

・一次感覚野とも連結しており血管の出血や梗塞を受けて外側皮質脊髄路に影響を受けるような場合は感覚障害を併発する可能性が高い。

・外側皮質脊髄路の障害は脳血管疾患以外にも様々な疾患がある。

 

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

今後とも記事作成を行いますので、どうぞよろしくお願いします。

スポンサードリンク



LCT完成アイキャッチ画像
最新情報をチェックしよう!
>作業療法士が提供する「Karasapo.com」

作業療法士が提供する「Karasapo.com」

病院に勤めていた作業療法士が、実際の臨床現場で学んだ脳出血や脳梗塞などに伴う後遺症さらに、骨折や脊髄損傷などの後遺症などの情報を提供。また、基本的な医学用語やトレーニング方法などについての知識をわかりやすく解説。

CTR IMG