後遺症の評価とは  〜評価の意義と評価と評価の関連の考え〜

後遺症の評価とは  〜評価の意義と評価と評価の関連の考え〜

 

♦はじめに

今回は後遺症を評価する意義とそれぞれの評価との関連について簡単に図を用いて解説を行います。

今回このような記事に至った理由としては、今年度から地域で作業療法士としてできることに対して取り組むために、組織発足を行い始めました。

そこで、生活期でできる臨床評価に限界があることやまだまだ生活期でできる臨床の評価は多く存在しておりさらには、評価方法や用語の統一などもされていないのが実情でそれぞれのコメディカルによって理解が異なることも感じており、今回臨床評価の重要性についてこのようなタイトルで投稿するに至りました。

 

では早速ですが本題に移りたいと思います。

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♦評価の考え方

評価の考え方としては、これまで回復期での臨床現場で評価の捉え方について、こんな風に考えて評価を行なっていたことを説明していきます。

 

評価と評価の関連性について

まずはこの図をご覧ください。

評価と評価の関連図

このひし形の図で示すように、評価と評価は矢印で示すように関連があることが非常に多く存在ます。

現に、研究などのアウトカムとして基本的に身体機能面のみを断片的に捉えて事象の結論を述べることは、非常に少なく偏りのある解釈に至り大変危険な解釈に至りかねません。

そのため、身体機能面だけの評価や日常生活能力面のみの評価を行っても、症例に十分な評価を行うことや、実際の後遺症に関しての評価ができていません。

事例検討や、研究などを行う際はより多方向から現象を捉える必要があり、身体機能面の例でもあるSIASのみで歩行で起きている現象を理解することは難しいでしょう。

だから、いろんな評価をとりどれが一番この悪い現象に対して影響力が強いのかを見極めるために様々な評価を組み合わせて現象の要因を捉えていきます。

では、このひし形に、トイレ動作に関する評価を当てはめて考えて見ると下記の図のようになります。

トイレ動作と評価の関連図

 

この図のように全ての評価結果が全て連結しており、一つのトイレ動作においても様々な要素が重なり合いトイレ動作という動作を可能にさせています。

そのため、一片通りの身体機能面のみの評価で、日常生活能力面と連結させるのではなく、包括的に現象を捉えて行く必要があります。

そして、このような評価を組み合わせて行うことで、その現象の原因についてより大きな影響を与えている要因とさらには残存している機能の分析を行うことができ、この低下した機能は改善させていくことができると考えるかまたは、残存機能を生かしていく学習や練習方法を行なった方が良いかの判断をすることができるようになります。

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臨床推論(Clinical reasoning)の必要性

これらの経過をたどり、評価後からは臨床推論(Clinical reasoning)が必要となってきます。

症例のデマンドをニーズに症例と創り、前述で示したような評価と評価の関係を考えて、どの評価結果が症例の現象に関して影響を与えている可能性があるのか?また、核となっている場所なのかを特定する必要があります。

評価の本来の役目である後遺症を理解し治療的戦略を考察して行く必要があります。

これらのことから、症例のデマンドやニーズの達成に至っては評価なしできません。また、臨床推論や治療的戦略を練ることができず、適切な治療を行うことができないようになってしまいます。

そのため、評価については十分行い多方向から様々な現象を確認していく必要があります。

 

♦まとめ

ここまでは評価の重要性について解説を行いました。

現在の本邦では急性期病院や回復期病院では環境も整い評価を行う環境になりつつありますが、生活期においてはまだまだ特に在宅においては評価をすることが難しい現状があり、実際にトレーニング効果を十分に測定することが難しい環境になります。

そこで次項では在宅でも限られたスペースで可能な評価内容や方法について記載します。

今回は評価の意義的な部分について整理を行い解説をさせて頂きました。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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