大脳性運動失調(Cerebral Ataxia)について それぞれの症状と運動療法の進め方

本日も記事を読んで頂きありがとうございます。

今回は小脳、前庭性、脊髄性それぞれの失調に加えて起こるとされている、大脳性運動失調について解説を行って行きます。

小脳性運動失調について

小脳性運動失調について

迷路性運動失調について

脊髄性運動失調について

脊髄性運動失調

など他にむ詳しく知りたい方はぜひ下記内容からリンクして下さい。

では早速今回の記事でもある大脳性運動失調についての解説を行います。

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 大脳性運動失調の症状と発症機序 

まず、大脳性運動失調についてですが発症部位によって様々な症状の呈することがあります。前頭性のものもあれば頭頂葉など様々です。ですが、今回の記事は頭頂葉性と前頭葉性の失調について整理を行いながら解説を行いたいと思います。

 

1)前頭葉性運動失調 

この失調に関する経路としては、前庭神経の損傷や前頭橋路障害などと言われることが多いですが、現在のところ発症機序等については明らかにされていないのが現状です。

症状とは小脳性の運動失調と酷似しており、歩隔を大きくとり歩幅の小さいWide-baseでの歩行となり時には小刻み様の歩行を認める場合があります。体に動揺や揺れなどの症状を認めることがあり、後方重心がやや優位になりやすい傾向にあるのが特徴です。基本的には多発性の脳梗塞や両側前頭葉への障害は正常圧水頭症などによっても認める場合があります。また、この失調の特徴は基本的は運動麻痺を認めない場合が多いです。また、両側障害でなければ、失調は障害側と反対側に認める場合が多いです。

 

2)頭頂葉性運動失調 

 この失調に関する経路や発症部位としては、頭頂葉の病変によりブロードマン5野(大脳皮質―橋核―小脳―大脳皮質ループの障害)との投射神経線維が損傷されることで起こることが多いとされています。これらのタイプとしてCritchleyは2種類存在すると報告しています。

1つ目は感覚性の運動失調でよく耳に臨床現場等でも症状です。このケースの場合の多くは、感覚障害を基本的には認める患者様が多いです。また、感覚機能障害の中でも位置覚に障害を受ける場合が多く閉眼時に失調の症状が増悪することが特徴と報告されています。

2つ目はpseudocerebellar Ataxiaと言われる失調です。この失調の場合は運動麻痺や感覚障害を認めにくいまたは認めない疾患です。そのため、小脳性運動失調との見分け方が非常に難しい疾患です。基本的には、小脳性運動失調の症状に酷似しています。前述したように小脳性運動失調も基本的には運動麻痺や感覚障害を認めないことから、小脳性運動失調との見分けが難しい疾患でもあります。

また、小脳自体には何も損傷を受ける疾患がなくても一側の上下肢に不全麻痺があり、加えて麻痺の要素を取り除いても明らかな運動性失調を呈しており、小脳性の運動失調と酷似した症状を認める場合が多いです。この失調を運動失調不全片麻痺(ataxic hemiparesis)と言います。

このように、大脳性運動失調も様々な種類の報告がされています。そのため、大脳性の脳卒中や器質的疾患においても、運動失調を認める場合があることを考えながら臨床を進める必要があります。

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  病巣について  

 この大脳性運動失調は、後部中央回や上下頭頂小葉についてなどと小脳以外の発症部位で比較しどこが1番目に説明した感覚性運動失調の病巣か、どこがpseudocerebellar Ataxiaの病巣かなどの分析を行ったが、どこの病変においてもそれぞれの症例によって異なり病変の特定ができていないのが現状です。そのため、前述したような大脳性運動失調の種類判断には麻痺の有無や感覚障害などの評価が重要であり、それぞれで症候が異なるためどの状態でどんなふうに失調症状が出現しているか評価を行うことが判別には非常に重要になります。

 

 大脳性運動失調の運動療法 

基本的には他の失調と同様の方法で実施を進めるとされています。

そのため、こんな間違いはおかしてはいけません。

例)感覚が悪いのに、視覚など他の残存感覚機能を用いた介入を行わない

  体幹を固定しながら、ベッド柵を利用し腕で引き寄せるように動作を行うなど

これらの注意点から、大脳性運動失調の患者様においては運動と感覚機能について十分に評価を行い、残存機能(運動、感覚)など発見を行いその残存機能によって遂行する運動(例えば起き上がり、歩行など)に対して動作のフィードバックを行うようにし対象の患者様にわかりやすいように援助を行っていくことが重要に思われます。

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  まとめ  

大脳性運動失調が存在する。

大脳性運動失調は前頭葉性運動失調と頭頂葉性運動失調と区別されている。

大脳性運動失調の病変は未だに十分な解明はされていない。そのため、大脳での脳卒中発症に伴い大脳性運動失調が生じる場合がある。

大脳性運動失調の運動療法は、残存機能の評価(運動、感覚共に)を行い、正常な状態で残存している神経を利用しながら運動学習を行うことがいいと思われます。

 

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

参考文献

運動失調に対するアプローチ 後藤 淳

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大脳性運動失調 cerebral Ataxia
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