本日は前回の記事「素人でもわかる! 失調症の分類について(大脳性、脊髄性、迷路性、末梢神経性について)」をより詳細に理解して頂き、失調症についての理解を深めて頂きたいのと、小脳性の失調について理解することが、小脳性の失調を患った患者さまにとって最前の治療方法を見いだせる可能性があるため今回の記事投稿をします。
運動失調とは
以前の記事でもお伝えしたように運動失調は、5つに分類されます。
②迷路性
③脊髄性
④大脳性
⑤その他
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小脳性失調とは
この失調は、脳の一部である小脳が関与しています。
この小脳は大脳基底核と共に運動プログラム(滑らかな各関節動作)の作成に関与しています。
小脳には感覚を取り入れる3つの入力系と、運動を行う1つの出力系が存在しそれらによって、運動の調節を行っています。
3つの入力系とは
1:前庭からの情報を取り扱う前庭小脳
基本的な機能:頭頸部の位置や動作に関する情報・姿勢反射に関与すると言われています。
2:脊髄からの情報を取り扱う脊髄小脳
基本的な機能:体性感覚からの情報に関与すると言われています。
3:大脳皮質から情報を取り扱う大脳皮質性小脳
基本的な機能:動作・運動に関する情報に関与すると言われています。
1つの出力系とは
1:視床や脳幹への情報を小脳核から出力する
基本的な機能:3つの入力系から受けた情報を統合し、視床や脳幹への出力を行い適切な運動をどの程度の力や速度で行えば効率がいいかを構築して脳幹や大脳の運動を遂行するようにしています。
入力系と出力系のまとめ
小脳が主に関わる運動プログラムとしては、「早い運動のプログラム作成と調整」「姿勢と運動の協調的動作の調整」に関与していると報告されています。
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小脳性失調の6つの特徴
例:フォークを使用し食物を摂取する際に、フォークが震えうまく目的の食物へ持っていくことができない。また、フォークで刺したものを口へ運ぶが震えて口へ持っていくことが難しい状態となる。
例:本を読む際に親指を人差し指で掴んだページをめくろうとする際に、下に向いているての平を、ページを摘みながら滑らかに手のひらを上に向けることができない状態となる。また、この症状は、速さを求められる課題でさらに顕著に出現します。単純に手を膝に置き、早く手のひらと手の甲を見せるようにグルグル回すなどを行うと分かり易いです。
例:立っている状態で床のものを拾う際に、通常であれば膝を固定し体を曲げながら必要に応じてその他の関節を調節するが、この症状を認める患者様の場合過度に膝を固定してしまい、体を協調的に曲げることができないような状態となり拾う際に倒れそうになっても、即座に膝などバランスに必要な関節を協調的に動かすことができない状態となります。
例:歩行をする際に、歩行のリズムに合わせて足をあげるが、左右にバラつきを認めるように歩行するようになる。
6:運動分解(Decomposition of movement)
内容
目的としている動作に対して、一方向の運動で遂行できる内容であるにも関わらず2方向の運動が起こってしまう。
例)
フォークで刺した食物を口へ運ぶ際に、通常であれば一方向で口へ持っていけることに対して、一度違う方向にそれて口へ運ぶような動作となる。
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まとめ
今回は運動失調について解説を症状からと小脳性運動失調について行いました。次回はその他の分類である迷路性や大脳性および、脊髄性の症状についてまた解説をします。