筋筋膜理論を勉強する方へ簡単な概論について

はじめに 

現在の解剖学や運動学で実際に学ぶのが、単独での筋作用(上腕二頭筋は肘関節の屈曲など)のみ(分離筋理論)に留まっており、筋肉と筋肉の連結に対してはあまり深く触れられていないのが現状です。そこでこの記事では筋肉と筋肉の隣接する筋肉のつながりについて解説をして行きます。

 

筋膜とは

筋肉には筋膜が存在し、それらは筋膜網内で機能的に統合された全身の連続体に影響を及ぼすとされています。基本的にはこの連続体のことをシート(Sheets)やライン(Line)と言われます。これらは、織物でいう縦糸と横糸から成り立っており、筋筋膜の「線維」としてたどることができます。これらの機能は、安定や緊張、伸張や固定、弾性として働き体全身の運動に関与しており全てのラインが分布してこれらの機能的働きを行っています

スポンサードリンク




筋筋膜理論の歴史と概論

筋筋膜論についての発展は、ロルフ研究所(Rolf Institute)から西洋医学や東洋医学に関わるスタッフに対して波及し、1997年にレオン・チャイトー博士が医学誌(Journal of Bodywork and Movement Therapis)で初めて発表されました。

そこから各シートやラインと言われるものを決定し現在に至る形となっています。

筋膜の連結部位としては、単純に隣接する筋肉だけを示すものではないです。もちろん代表的なSBLと言われるものだけではなく、筋肉と皮膚との連結や筋線維同士の連結なども存在しています。これらは、人体解剖においても明らかにされています。これらの研究した代表的な内容がシュルツ(Schultz)とフィティス(Feitis)らによる研究であり、彼らは標準的な解剖学で記されている筋と骨の概念は、運動の純粋な機械的モデルであり、このモデルは運動を個々の機能に区別することができる。しかし、生体に見られる途切れのない身体の運動統合を表すことはできない。一箇所が動くことにより、身体全体が反応するとされ、機能的にみるとこれが筋筋膜いわゆる結合組織の唯一の機能である(引用文献:Shuitz L,Feitis R.The endless web.Berkeley:North Atlantic Books;1996.p.vii)と言われています。

スポンサードリンク




介在面の存在

筋筋膜に関する介在面とは、単純に隣接する筋が筋筋膜の働きをしているわけではないことです。

代表例では、大腿部でも存在する。長内転筋から大腿二頭筋の短頭は恥骨部分から腓骨骨頭へのラインを外側に引くことができるが、ここでは大内転筋が大腿骨粗線で介在しています。このように筋筋膜連続体は単に隣接しているからと言ってそれらが機能していることはないです。そのため、介在面についても十分注意して治療の施工を行うことが重要です。

上記の図は前述内容をイラストで作成したものです。左の図で示す緑線で示すのが、仮想(真実とはことなる)の筋筋膜性の機能的役割を示しています。一見左側の図の関係では緑線で示すように、筋筋膜性の役割を果たしているように感じますが、それらの間に右の図で示すように大内転筋が介在することで緑線のように筋筋膜性の働きは介在(遮断)されるようになります。

スポンサードリンク




筋膜はではどこの筋から働き始めるのか

筋肉には表層の筋肉と、深層の筋肉に二分されて表現される。

基本的に多関節筋(関節を複数にまたいで機能する筋肉)は表層にあることが多い。

単関節筋(関節を一つのみまたぎ機能する筋肉)は深層にあることが多いとされています。そこで筋筋膜においても、表層の筋肉が働き始めて深層の筋肉が働き始める順序となっています。

ここで重要なのは、結論から述べると単関節筋に対しての介入が非常に重要であることです。

多関節筋は例えば股関節から膝関節にまたぐような筋肉のことを示しており、股関節が動きが悪くても、膝関節での代償などに伴い筋肉自体の運動量は担保されやすい傾向にある。しかし、深層に存在するような単関節筋はその関節が動かない限りはなかなか本来の動きを行うことができにくくいわゆる機能低下などに邪気されやすい傾向にあると考えられます。そのため、筋筋膜に対しての治療施行においては、表層より深層の筋筋膜に対して介入することができるかが非常に重要となってきます。

まとめ

・筋膜とは

・筋筋膜理論の歴史と概論

・介在面の存在

・筋膜はではどこの筋から働き始めるのか

本日は上記の内容について簡単に内容をまとめました。単純にこことここが隣接している筋肉だからとはいかないことを念頭におき筋筋膜に対しての介入が必要です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

スポンサードリンク




最新情報をチェックしよう!
>作業療法士が提供する「Karasapo.com」

作業療法士が提供する「Karasapo.com」

病院に勤めていた作業療法士が、実際の臨床現場で学んだ脳出血や脳梗塞などに伴う後遺症さらに、骨折や脊髄損傷などの後遺症などの情報を提供。また、基本的な医学用語やトレーニング方法などについての知識をわかりやすく解説。

CTR IMG