肺の構造
肺は両側に一つずつ存在します。心臓がその左肺の方に広がり存在します。これにより右肺に比べて、左肺の方が小さい(左が小さいのは心臓があるからです)状態で肋骨の下に存在します。右肺は3つの葉:lobe(葉(よう)とは部屋のこと)に分かれ、左肺は2つの葉(葉(よう)とは部屋のこと)に分かれます。左肺は大きさが小さい分、葉の数(部屋の数)も2つと右に比べ1つ少ないです。右肺の3つの葉は上葉(じょうよう)、中葉(ちゅうよう)、下葉(かよう)と部屋の名前がある。左肺の2つの葉は上葉(じょうよう)、下葉(かよう)と部屋が分けられています。さらに細かく分けることができます。
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(右肺)
上葉は肺尖区(S1)・後上葉区(S2)・前上葉区(S3)と3つに分かれる。
中葉は外側中葉区(S4)・内側中葉区(S5)の2つに分かれる。
下葉は上−下葉区(S6)・内側肺底区(S7)・前肺底区(S8)・外側肺底区(S9)・後肺底区(S10)と5つに分かれる。
(左肺)
上葉は肺尖後区(S1〜2)・前上葉区(S3)・上舌区(S4)・下舌区(S5)の5つに分かれます。
下葉は上−下葉区(S6)・前肺底区(S8)・外側肺底区(S9)・後肺底区(S10)と4つに分かれます。
肺の高さと位置の断定
鎖骨、肋骨を用いての測定では肺尖(肺の一番上部)が鎖骨上縁より2〜3㎝上縁に突出するようになっています。肺底(肺の一番下部)は第6〜7肋骨間に存在します。脊椎を用いての測定においては、頚椎の第7頚椎の高さ、肺底は第10胸椎の棘突起の高さであるとされています。
肺の大きさと重量、
左右で異なります。全て広げると約60〜70㎡(一辺が70mの四角形分)の面積に達すると言われています。肺の重量は両側の肺を合わせて男性が約1000g、女性は900gと言われています。
酸素が流れる道順
肺には気管支→細気管支→肺胞道→肺胞嚢→肺胞と道順を辿り肺の末端まで酸素の運搬を行います。
呼吸の仕組み
吸気(息を吸う)時は毛細血管を通じて体内に酸素を運びます。
呼気(息を吐き出す)時は毛細血管を通じて体内で生産された二酸化炭素を体外に出すようになります。
肺は肺自体の収縮をするのではなく、横隔膜や肋間筋が働くことで収縮を行いさらに、補助的に首まわりの筋や腹筋を利用し行っているのです。
呼吸と関係する筋肉
呼吸筋といい呼吸(息を吸ったり、吐いたりする)で胸郭(肺を包む肋骨や組織)の運動を内肋間筋、外肋間筋、胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋が働きます。安静時は主に横隔膜と外肋間筋のみで行うようにしています。ただ努力して呼吸をしなくてはいけない状態(激しい運動後や過呼吸など)では吸気(息を吸う)では胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋が働きます。そして、呼気(息を吐く)ときは、内肋間筋、腹直筋、外腹斜筋、腹横筋を使用します。
肺胞の仕組み
肺胞で口や鼻から吸った酸素は血液の中に循環するように流れます。肺胞は直径約300μm(単位1μm=0.001㎜)とされており非常に小さなものになります。数としては肺全体で約3億個と言われている。肺胞には壁が存在し主にそれらを肺胞壁と呼びます。壁の構造としてⅠ型のガス交換を行う壁とⅡ型の肺胞の表面を滑らかにする物質分泌をする壁とに分かれます。そしてそれらは肺胞上皮細胞によって覆われています。肺胞では、膜と毛細血管が密接に絡みそれらを通して呼吸による二酸化炭素と酸素の交換(いわゆるガス交換)を行っています。
酸素量と二酸化炭素量の調節
これは「拡散」という機能によって行われているものであって簡単に例を出して説明すると「温かい部屋に窓を開けると冷たい風が入り込むように中和しある一定の温度に保とうとする」ような働きを示します。そのようにある一定に酸素の量が保たれているのです。
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肺炎を起こしやすいのは右肺。
これは気管の分岐部分の角度と太さに関係があります。角度が気管とより並行でありさらに、太さも右気管支の方が太いからです。