大腸の構造について
大腸は長さ約1.5〜2メートルです。形は小腸と似ておりホースを緩め凹凸ができた形のようになっています。太さは小腸より少し太いです。
大腸の構造分類
部位の分類として盲腸・結腸(上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)・直腸と3つに分類しています。
大腸の位置について
大腸は小腸の外側を取り囲むように位置しています。
大腸壁の構造分類
大腸壁の構造は外側から6層に分類されており、漿膜→漿膜下層→固有筋層(外側が縦筋層、内側が輪筋層)→粘膜下層→粘膜筋板(粘膜筋層)→粘膜の順で並んでいます。
スポンサードリンク
大腸に関係する神経
大腸の動きに対する神経
内臓系はほとんどが自律神経により運動調節をされています。自律神経とは簡単に説明すると興奮した時に働く神経(交感神経)、リラックスしている時に働く神経(副交感神経)の2種類が存在します。大腸には交感神経、副交感神経ともに関係しておりそれらの神経によって運動の促進や制御などの調節機能を担っています。縦筋層や輪筋層は筋層間神経叢(アウエルバッハ神経叢)で交感神経と副交感神経によって支配されています。これらが働くことによってホースの伸び縮みが行われ大腸内を消化したものが流れます。また、粘膜筋層は粘膜下神経叢(マイスナー神経叢)で交感神経と副交感神経によって支配されており分泌液や血管運動の調節を行っています。
大腸の感覚に対する神経
大腸の感覚(違和感や便秘により詰まった感覚や痛みなど)は大腸の一番内層に存在する上皮細胞に知覚神経がありその神経により上記のような感覚を受け取ったのちに脊髄に入りその後、脳までその感覚を運び始めて痛みなどを感じることになります。
大腸の働きについて
小腸で消化・吸収した物質(食べ物)を便に作り変え排出する働きがあります。便に作り変えるまでには食事をしてから約24時間〜72時間程度かかると言われています。食後約5時間程度で胃から小腸を通り大腸に至ります。まず、大腸に至った際は流動体と言ってほぼ液体に近い状態です。そこから半流動体に約7時間程度へ変化し、その後かゆ状に約8時間程度で変化し、約9時間で半かゆ状そして約12時間後に半固形状となり(ここで大腸により1〜2Lの水分を吸収します)、最後に約18時間後に固形状となり直腸に至り体外に便として排出されます。
下痢の原因
腸の動きが炎症や傷みなどによって活発に動くことで大腸の働きで説明した時間より早く大腸の中を流れ十分に水分の吸収などが行えず直腸に至ることで下痢に至ります。
便秘の原因
便秘は下痢とは逆で大腸が不活発な状態であり十分に動いておらず各場所で余分に水分を吸収され便が大腸の中で流れにくくなることによって便秘になります。
便の色と病気
黄土色
健康な状態です。
黒っぽい色
は肉が多い食事や服薬している薬剤の種類によって黒くなることがあります。赤黒い色(タール状)のドロのような便については消化管の病気が疑われます。そのため、注意が必要となります。
赤っぽい色
一般的には痔が多いですが、この色については要注意です。この色が示す赤色とは血液を示すことが多く、腸での出血や大腸・直腸がんを疑うべき所見でもあります。
白っぽい色
健康診断などによりバリウムなどを飲むことで白くなります。そのような体験が無いにも関わらず白っぽい場合についても注意が必要です。肝臓や胆のうの病気を疑う所見でもあります。また、便に油滴のようなものが付着している場いいは膵臓の病気を疑うべきでもある所見であるからです。
スポンサードリンク
大腸疾患について
本日は大腸がんの検査経過や種類によって解説をします。
まずは便潜血検査といって便に血液が混ざっているかを確認します。そして肛門の指診を行い痔であるかどうかを判定します。その後大腸がんの疑いが強い場合は大腸内視鏡を行い腸内の診察を行います。そして、炎症やがん部分を見つめた場合病理検査を行うために腸の一部(細胞レベル)を取り出し検査をします。そして、がんが確定するとCT、MRI、腫瘍マーカー、腹部超音波検査や胸部X線を実施し他に転移していないかを確認しつつがんの予後判定(ステージ判断)を行い治療方法の決定を行います。