肩から肘までの筋肉

肩周囲には肩関節を動かすのに様々な

筋肉が存在します。またそれらは複雑

な働きを担っています。

筋肉の働きと神経について

三角筋

前部、中部、後部と存在します。前部は鎖骨(外側1/3)、中部は肩甲骨の肩峰から、後部は肩甲棘(下縁)から全て上腕骨の外側(三角筋粗面)へ走る筋肉であり肩の全体を包みます。

この筋肉の働きとして前部は肩を前方にあげる(屈曲)、内側へ回す(内旋)。中後部は脇を開くように(外転)肩を運動させます。

神経は腋窩神経を経由します。

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棘上筋

肩甲骨の上方(棘上窩)から上腕骨の肩側付け

(大結節)と肩関節包に走る筋肉です。

この筋肉の働きとして脇を開くような運動(外

転)をします。肩甲骨と上腕骨を引き寄せ、肩

関節を安定させる働きがあります。

神経としては肩甲上神経(C5)を経由します。

 

棘下筋

肩甲骨の背面中央(棘下窩)から上腕骨の肩側

け根(大結節)に走る筋肉です。

この筋肉の主な働きは肩関節を外側へ回す(外

旋)する。腕を後方に引く(伸展)するように

運動させます。

神経としては肩甲上神経(C5~C6)を経由し

ます。

 

小円筋

肩甲骨の外側、後面の下の方(下角)にから

肩甲下筋筋膜に付着しており、上腕骨肩側付

け根(大結節)と肩関節を包む関節膜(肩関

節包)に走る筋肉です。

小円筋と大円筋

この筋肉の働きとして腕を外へ回す(外旋)

する。腕を後方に引く(伸展)する。腕を

内側へ引きつける(内転)する。

神経として腋窩神経(C5)を経由します。

大円筋

肩甲骨の下方(下角の後面)にから上腕骨の肩

付け根(小結節稜)に走る筋肉です。

この筋肉の働きとして肩を中心に内側へ回す

(肩関節内旋)、腕を後方に引く(肩関節伸

展)そして、腕を内側へ引き寄せる(肩関節

内転)をします。

神経としては肩甲下神経を経由します。

大菱形筋

第2〜5の胸椎の棘突起(背中の出っ張った骨)

の部分から肩甲棘から下角までの間の肩甲骨の

内側に走る筋肉です。

この筋肉の働きとして肩甲骨の内側へ引き寄せ

る(肩甲骨の内転)と肩甲骨を回旋させる働き

があります。

神経として、肩甲背神経(C4〜5)を経由し

ます。

 

小菱形筋

項靭帯を含め、頚7頚椎(一番下の頚椎)

〜第1胸椎までの棘突起(背中の出っ張っ

た骨)につきます。そしてそこから、肩甲

棘の起始部(肩甲棘の出っ張りが出てくる

場所)に付着します。

この筋肉の働きとして、肩甲骨の内転(内側へ

引き寄せる)と肩甲骨の回旋をします。

神経として、肩甲背神経(C4〜5)を経由し

ます。

 

肩甲下筋

肩甲骨の肋骨と面した部分(肩甲下窩)から

上腕骨の肩側付け根(小結節)に走る筋肉で

す。

この筋肉の働きとして腕を内側に回す(内旋)

する。肩関節を内側へ引き寄せる(内転)す

る。腕を後方に引く(伸展)する。

神経として肩甲下神経(C5~C7)を経由します。

上腕二頭筋

上腕二頭筋には長頭と短頭が存在します。

長頭は肩甲骨の上方外側(肩甲骨関節上結節)

、 短頭は肩甲骨突起部分(烏口突起)につき

そこから長頭は腕の骨(橈骨粗面)、 短頭は

腕の骨(橈骨粗面)と上腕二頭筋腱膜に走る

筋肉です。

この筋肉の働きとして肘を曲げる(屈曲)す

る。

腕を外へ回す(回外)する働きをします。

神経としては筋皮神経を経由します。

上腕筋

上腕骨の肘関節に近い部分(遠位1/3前面)

につきそこから腕の骨(尺骨粗面)へ走る

筋肉です。

この筋肉の働きとして肘関節を曲げる

(肘関節の屈曲)働きをします。

神経として主として筋皮神経。補足として

橈骨神経を経由します。

烏口腕筋

肩甲骨突起部分(烏口突起)から上腕骨の内側

走る筋肉です。

この筋肉の働きとして肩関節では、脇を締める

(肩関節内転)、腕を前方にあげる(肩関節屈

曲)する働きを持ちます。

神経としては筋皮神経を経由します。

 

上腕三頭筋

長頭、外側頭、内側頭に分かれています。

長頭は肩甲骨の上後方(肩甲骨関節窩結節)、

外側頭は上腕骨の後に着き、内側頭は上腕骨

の内側後面に着きます。そして、全て肘へ

(尺骨の肘頭)に走ります。

 

 

この筋肉の働きとして肘を伸ばす(伸展)

働きがあります。

神経として橈骨神経を経由します。

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肘 筋

肘関節に近い上腕骨の外側部分(外側上顆の

やや後面)につきそこから肘の出っ張り(肘

頭外側面)に走ります。

この筋肉の働きとして肘を伸ばす(伸展)する。

※上腕三頭筋の働きを補助するような働きをします。

神経として橈骨神経(C6~C8)を経由します。

 

腕橈骨筋

上腕骨の肘関節に近い外側部分(外側上顆)

(外側下部)から手首の親指側の突起部分

(橈骨茎状突起)に走る筋肉です。

この筋肉の働きとして肘関節では肘を曲げる

(屈曲)する。腕では手のひらを上へ回す

(前腕回内)働きを持っています。

神経として橈骨神経(C5~C6)を経由しま

す。

 

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病院に勤めていた作業療法士が、実際の臨床現場で学んだ脳出血や脳梗塞などに伴う後遺症さらに、骨折や脊髄損傷などの後遺症などの情報を提供。また、基本的な医学用語やトレーニング方法などについての知識をわかりやすく解説。

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