コラム〜後遺症の自宅での生活〜

在宅退院された方の実際

 

急性期病院(救急車で搬送されるような病院)

から後遺症を治し元の生活を確保するために、

回復期病院(リハビリテーションを受ける病院)

を経て在宅へ退院される方を数多く目にすること

があります。しかし、実際の在宅生活では悲惨な

実情があります。今回は在宅へ退院された後に実

際の自宅へ訪問をさせていただいたのちにどのよ

うな生活を送られているかを、実話を踏まえて記

載します。

※全ての患者さまやサービスに該当することでは

なく、あくまで僕個人で訪問させて頂いた患者さ

まの話です。そのことを十分に理解して読んで下

さい。

 

自宅に帰ることでkey person(主に患者さまの

介護をする家族)は普段病院で行っていたことを

全て行うことになる。薬の管理や経管栄養の患者

さまであれば流動食や経管栄養や胃瘻などの管理

また、適宜除圧などを行い床ずれを防止するよう

に関わらなければならなくなります。回復期に入

院されている間は外泊試験などを経て自宅へ退院

されることが多いですが、実際の外泊試験などの

日数や外泊試験回数なども適当に行うことでkey

personは一回できたから大丈夫などと安易に考

えてしまうことも少なくない。AさんはADL(日

常生活:トイレや食事、整容や起き上がりなどの

こと)に介助が必要であるが自宅への退院をされ

た。このかたの場合年齢を若くして後遺症を患う

ことになりました。そのため、入院中のkey per

sonは自宅に連れて帰りたいという気持ちが湧き

自宅退院を希望されました。しかし、実際は予

想を超えるkey personへの負担がかかる。介助

であるということはその分自分の時間をさいて相

手の介助時間を使用することになる。また、トイ

レが自立していない患者さまの場合夜間帯でも患

者さま自身がトイレを希望されればkey personを

起こしトイレに連れて行ってもらう必要がある。

それは一体どういうことかというと、key person

が仕事をしていたと考えましょう。今の世の中なか

なか定時に帰宅することもできないことが現状です。

帰宅が夜遅くなっても患者さまが家におられればそ

の介護に徹しなければなりません。それはkey per

sonである人が体調が悪くても、インフルエンザに

なっても同様のことです。現在のサービスにおいて

24時間対応や急遽の介護以来などにおいてもなか

なかこのようなイレギュラーな事態が起きても対

応してくれるサービスはないと言っても過言では

ありません。また、退院後のリハビリテーション

においても自宅へ訪問する訪問リハビリテーショ

ンを使用されているが、訪問リハビリテーション

においても大手でない限りは急遽休んだり、急遽

自宅へ訪問することができなくなり日程を変更し

てほしいなど患者さまやkey personに対して心的

負担をかけるようなことがAさんの場合あるそうで

す。これで本当に自宅へ退院された患者さまが元の

生活を確保できるだけ体の調子が後遺症を改善し良

くなることができるでしょうか?僕は絶対に良くな

らないと思います。また、訪問リハビリテーション

で何をやっているの?とAさんに尋ねると「1時間リ

ハビリテーションを受けるけど、40分くらいはマッ

サージその後に5m程度の距離を一往復する程度」と

言われました。これって本当にいい方が悪いですけど

詐欺行為です。絶対に良くならないと判断をして適当

にやっていることが丸わかりのリハビリテーションで

す。本当に患者さまが良くなることを望むのであれば、

もっと工夫して一回一回のリハビリテーションを大切

にすることが必要です。僕はそんな医療サービスを行

っている人達が頼れないし信じることもできないです。

ただ収入を得るためにやっている詐欺行為です。今後

生活期の需要は国の方針によってさらに多くなること

が望まれています。そのためにも在宅へ退院された患

者さまのサービスをより良いものにし良い生活を確保

したいとAさんと関わり感じました。

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作業療法士が提供する「Karasapo.com」

病院に勤めていた作業療法士が、実際の臨床現場で学んだ脳出血や脳梗塞などに伴う後遺症さらに、骨折や脊髄損傷などの後遺症などの情報を提供。また、基本的な医学用語やトレーニング方法などについての知識をわかりやすく解説。

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