貧血と言うとよく周りから「鉄分が足りないのね。」とよく言われると思います。
では、「単純に鉄分を取ればいい。」そんな考えに至りません?
それって、本当に正しいのでしょうか?
そんなことを解説します。
鉄分だけでは貧血は改善しない。
前に記載したように、鉄分と貧血の理解は医療と関係の無いお仕事をされていれば誰でもそのように解釈するでしょう。
しかし、それは違うのです。
この話を聞くだけでは「?????」って思いますよね?
貧血とは「赤血球数または、ヘモグロビン量が正常以下になった場合であり、酸素運搬能力が低下した状態」のことであると言われています。
ヘモグロビンとは「血中の酸素運搬を担う役割を持つ」とされています。
ここで一度やってみてほしいのが「貧血 治療法」で検索をしてみましょう。
鉄、鉄、鉄とたくさん鉄に関するホームページが出てきます。無論、鉄剤を売り込みたいようにも感じてしまいます。これが現状であり、貧血の原因をインターネットで検索すると「鉄分」や「鉄剤」などのホームページが多いです。
しかし、前述したように
鉄剤だけ飲んでも絶対に治りません。
それには理由があります。
ヘモグロビンを理解しよう
「鉄分だけでは貧血は改善しない」で記載したように酸素を必要な場所に運ぶヘモグロビン。このヘモグロビンという物質。これを形成するのは「グロビン」というタンパク質と「ヘム鉄」という鉄で形成されています。
この2種類があってこそヘモグロビンが成り立つことを理解してほしい。
前述の情報だけではヘモグロビンに必要な一方だけが充足し、もう一方は不足している状況にあることが考えられるのです。
ここで重要なのが摂取方法ですね。
良質なタンパク質について
「ヘモグロビンを理解しよう」で解説した通り、鉄と合わせてグロビンを摂取することは理解できましたよね。ではまずタンパク質の摂取についてです。
よく言われますが「良質なタンパク質」これってなんなの?って疑問があると思います。「良質なタンパク質」とは体内で消化・吸収された時に保護的な効果(抗炎症作用、抗興奮作用、アンチストレス作用など)を含むアミノ酸を持つタンパク質のことです。
具体的な成分として、グリシン・プロリン・分岐鎖アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリンなど)といったアミノ酸です。
この摂取方法は動物性タンパク質に頼ることが望ましいです。植物性タンパク質の何倍も体内に吸収される確率が高いためです。動物性タンパク質と同じ量を植物性タンパク質で摂取するのには大量に摂取しないといけないのです。
では動物性タンパク質を摂取すればといういうことで、肉を想像するでしょう。しかし、この良質なタンパク質は筋肉の部分ではなく「腱」「骨」「皮」の部分に多く含まれています。そのため摂取する場合は肉と単に考えるのではなく、「骨ガラスープ」「スジ肉」「あら炊き」などを摂取すると良いと言われています。
鉄分について
鉄分は前に記載したように必要なことは理解されたと
思います。しかし、鉄分にも「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」
が存在します。
これらの違いは体内に吸収される量が違うのです。
簡単に分類すると動物由来のものが「ヘム鉄」、植物
由来のものが「非ヘム鉄」とされています。
日本人の食における鉄の摂取量は「非ヘム鉄が約85%
程度を占めている」のが現状です。では、「ヘム鉄」
の含有量が多い食材は
「煮干し(18mg)」「豚レバー(約13mg)」
「鳥レバー(約9mg)」「牛もも赤身(2.7mg)」
「しじみ(約4.3mg)」「あさり(3.8mg)」
「カツオ(1.9mg)」などと言われています。
その他にヘモグロビンを構成するのに必要な栄養素
これらはあくまでヘモグロビンの構成に作用する
もので体内ではこれらの栄養素をいかに効率的に
作成していくことが大切です。
そこで他にはビタミンB6、B12、葉酸、ビタミンC、
銅、ニコチン酸が必要と言われている。
鉄の吸収を阻害する食品がある
カルシウム、リン酸、シュウ酸(ほうれん草や
長ネギ、タピオカなど)、タンニン酸(緑茶、
紅茶、コーヒー、赤ワインなど)、フィチン酸、
フラボノイドなどのポリフェノール類である。
まとめ
貧血には鉄分だけの摂取では不十分な側面がある。
「鉄」と「グロビン」の摂取をする必要がある。
「グロビン」は良質なタンパク質を摂取すること
が大切である。
「鉄」には「非ヘム鉄」と「ヘム鉄」が存在し
「ヘム鉄」を取り入れることが重要である。
「鉄」と「グロビン」だけでなくそれらによって
より効率的に結果を出すためにもビタミンB6、
B12、葉酸、ビタミンC、銅、ニコチン酸が必要
である。「鉄」の吸収を阻害する栄養素がある。