よくお酒を飲み過ぎると肝硬変になると言われる。
これってあっている?
間違っている?
実は、正確にいうと間違っているんです。
これには東洋人と西洋人の関係が大きく関係して
いる。
※東洋と西洋の簡単な区別
(東洋:アジア諸国 西洋:欧米諸国)
アルコール代謝とアセトアルデヒド
アルコール代謝にはアセトアルデヒドが関係して
いる。そのことを、簡単に解説します。
アルコールは胃で約20%、腸で約80%吸収さ
れ吸収されたアルコールは血管に運ばれる。
血管に運ばれると血液が肝臓までアルコールを
運び、アルコールの代謝を行う。
肝臓ではアルコールをまず、アルコール脱水酵
素(ADH)によってアセトアルデヒドへ分解を
し、その後アセトアルデヒド脱水素酵素(ALH
D)によって分解され酢酸となり最後に水と炭
酸ガスで分解され尿や呼気によって体外に排出
される流れになる。
ここででてきたアセトアルデヒド…
このアセトアルデヒドは肝臓に対して悪性な物質
なのです。
西洋人と東洋人の違い
上記でも説明したアセトアルデヒド。
この物質に対して速く酢酸までの分解を行いまた
水や炭酸ガスに分解し体外へ速く排出することで
肝臓にアセトアルデヒドによる負担がかからず、
アルコール性肝硬変を予防することができる。
そこで必要な酵素が前述したアセトアルデヒド脱水
素酵素。これが西洋人と東洋人では生まれつき体内
で保持している含有量が違うのです。それは、アル
コール消費量とアルコール性肝硬変の患者数の割合
を比較してみると少なからず傾向を見ることができ
るのではないかと考えたため紹介しますね。
アルコールの消費量が一番多い国は・・・・
1位チャド、2位アラブ首長国連邦、3位ガンビア
(日本:144位)
男性の1日飲酒量が多い国順は
1位チャド、2位ネパール、3位韓国
(日本:135位)(スロバキア:26位)
女性の1日飲酒量が多い国順は
1位チャド、2位ガンビア、3位タジキスタン
(日本:117位)(ウクライナ:38位)
この結果では以前から言われている全て総合
でもチャドが独占。
では良く聞くアルコールを飲めば肝硬変という
考えに基づくと当然チャドがアルコール性肝硬変
大国になることが予想できる。
しかし、男性のアルコール性肝硬変の
一番多い国は・・・・・スロバキア(169か国中)
じゃ女性でチャドには多いんじゃ・・・
一番多い国は・・・・・ウクライナ(169か国中)
なんと一番飲酒量が多い国のチャド。
全然肝硬変と結びついていない。
ちなみに、チャドの男性別アルコール性肝硬変
の順位を見ると…75位/169位(日本:98位)
さらに、チャドの女性別でアルコール性肝硬変
の順位を見ると…73位/189位(日本:65位)
女性においては日本より優秀である。
これらの結果からアルコールを飲めば肝硬変と
いうのは少し結論が違ってくるのが考えられる
のです。肝臓のアルコール代謝において、アセ
トアルデヒドを溜め込まずアセトアルデヒド脱
水素酵素にて酢酸へ、そして水・炭酸ガスに変
化し体外に排出しているかが重要なのです。
では、東洋人である我々(アセトアルデヒド脱
水素酵素の含有量が少ない)がどのように体に
気をつけるべきなのか。
アセトアルデヒド脱水素酵素の他に体には薬物
代謝機能が備えられています。アセトアルデヒ
ド脱水素酵素で補えないアセトアルデヒドは、
この機能が働きます。しかしその時には、以前
にも紹介しましたが体内で活性酵素というもの
が発生します。これが、肝硬変や以前紹介した
ように癌などの原因となってしまうのです。
この活性酵素についてはビタミンなどを摂取す
ることでスカンベンジャーを作り出しより効率
的に体の活性酵素を破壊することができます。
そのため、普段の生活でもスカンベンジャーの
生成を意識した食事が必要になると考えられま
す。