胸郭出口症候群

胸郭出口症候群とは

腕を上に上げると肩や腕、肩甲骨周囲の痛みが現れる。また、腕の小指側から小指までにしびれ感やビリビリ感と言った普段とは違う異常感覚が出現し、指先に力が入らないようになったり、細かい作業ができない症状が出現します。筋力低下は特に手指を主体として現れ手の甲の骨と骨の間にくぼみができることや、手のひらのふくらみがなくなることがあります。なで肩の女性や重量物を運ぶ労働者が患者層としては多いです。

 

なぜ起きる?

簡単に説明すると首の部分で筋肉や骨によって神経や血管が圧迫され腕に痛みが出現します。なで肩や重量物運搬を行う労働者が発症することが多いことから考えると、肩周囲を引き上げることができず、肩周囲で前述した内容のことが生じ結果症状を引き起こすと考えられます。斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群(過外転症候群)と圧迫される部位や要因によって区別されます。

 

診 断

主にはアドソンテスト、ライトテスト、ルーステストを用いて肩と首をある一定の方向へ運動させ、血管の問題と神経の問題を診察します。

画像診断では、レントゲン写真(X−p)にて頸肋がないか確認を行いまた、その他の頚椎疾患等がないか確認を行います。そして、鎖骨の第1肋骨の変形などによりこの両者の間が狭くなっていないか確認をします。

 

治 療

筋力強化

なで肩や重量物運搬時の肩を引き上げる力をつけるのに筋力強化を行います。

装具療法

症状が重く引き上げることができなければ、装具を使用し肩を持ち上げるようにします。

服 薬

消炎鎮痛剤と血流改善薬、神経に対してビタミンB1内服が妥当な処方になります。

手 術

圧迫されている部位に応じて手術部位を変更し手術が施行されます。

まとめ

重量物の運搬や女性に多く見られます。症状は、腕を上げた際の肩の痛みと指の小指側に痺れのような感覚を感じます。そして、握力が低下し手のひらの張りなどがなくなるなどの症状をきたします。原因は、首周囲の筋肉が硬くなるまたは、筋力低下によって関節のバランスが崩れ骨などによって首周囲の神経や血管を圧迫し腕の方へ痺れが生じさらに、肩に痛みを生じます。診断は各テストにて神経の問題であるか血管の問題であるかを検査します。また、レントゲンにて骨の歪み等による圧迫でないか検査をします。治療方法は運動によって筋力をつける。装具で肩が下がり圧迫等の影響に至っていれば装具を使用し肩をあげるようにします。服薬にて痛みどめと血流の改善を図りさらに、ビタミンB1にて圧迫によって傷ついた神経の回復を促進します。症状がひどければ手術によって修復をします。

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病院に勤めていた作業療法士が、実際の臨床現場で学んだ脳出血や脳梗塞などに伴う後遺症さらに、骨折や脊髄損傷などの後遺症などの情報を提供。また、基本的な医学用語やトレーニング方法などについての知識をわかりやすく解説。

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