肩関節インピンジメント症候群

肩のインピンジメント症候群とは

一般的に肩関節周囲で腱や関節包などを骨などにより関節を動かした際に挟み込むことを示します。

好発年齢等の情報ななく原因を引き起こすような障害や兆候を持った人に症状が出現します。

 

なぜ起きる?

大きく分けて2種類原因が考えられています。

  • 体の作りに問題が起きている「構造的な原因」
  • 体の働きに問題が起きている「機能的な原因」

具体的には……

  • 体の作りの場合:骨(肩甲骨、鎖骨、上腕骨)などの変形や骨棘の形成など
  • 体の動きの場合:何らかの影響により肩関節が硬くなる。または、加齢などによる運動不足による筋力低下また、障害などに伴い筋力低下をきたし運動中の関節の動きが正常と比べて崩れることによって生じるなど

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症状と病態

症状

運動時痛:腕を上げた際に痛む

関節音:運動をした際に一点に集中するような痛み(鋭痛)に伴う関節音

※ただし、腱板損傷や肩関節周囲炎または、挟み込んだ腱が炎症を起こした場合などは、持続的な痛みを生じることがあります。

病態

①肩峰下インピンジメント

②鳥口下インピンジメント

③後方インピンジメント(インターナルインピンジメント)

④前上方インピンジメント(プーリーリージョン)

の4つに分類されています。

それぞれによって症状や痛みの部分は変化します。

 診 断

①痛みの特定:痛みや症状がどのような動作でどこに出現するか確認。

(日常生活への支障、どのくらいの頻度で起きる、いつから起きている、今まで肩を痛めたことがないか、練習量や肩の使用頻度が多くなっていないか)

②関節の運動範囲:肩関節周囲の柔軟性や筋力などに問題がないか確認。

③画像診断:レントゲン・CT・MRIで骨などに問題がないか確認。

 

治 療

①ストレッチ

クロスボディーストレッチ

スリーパーストレッチ

棘下筋ストレッチ

広背筋ストレッチ

小胸筋ストレッチ

②運 動

腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)を鍛えます。

腱板の筋力強化に至っては回数を多くし負荷(抵抗や重量など)を弱くすることがポイントです。

※なぜ負荷を強くしてはいけないの?

腱板自体が肩関節の周囲でも他の筋肉に比べて小さいためです。負荷を強くして運動(例えば10kgの重りを用いた肩の運動)を実施すると、腱板とは違う他の大きな筋肉が腱板より優先的に動き腱板の筋力強化に至らなくなる。

 

注 意

なお、運動は医療スタッフが同伴のもとで行うようにして下さい。また、同伴スタッフがいない場合は、痛みの出る場所や運動の方向を把握し、少ない負荷で痛みの出ない回数で肩の運動を行うようにして下さい。完治には原因にもよりますが、筋力を向上させることやストレッチを行い肩甲骨と上腕骨などの位置のバランスを整える必要があります。まずは、医療スタッフによる運動指導を受けることが先決です。

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まとめ

肩関節におけるインピンジメント症候群とは、肩関節(上腕骨と肩甲骨をここでは示します)を動かす(腕をあげるや外へ広げるなど)と腱や関節を取り巻く袋(関節包)を骨と骨で挟み込み痛みを感じることでです。

原因は構造的問題と機能的問題の2種類と考えれています。症状としては骨と骨で挟み込むことによって痛みを感じます。しかし、それが癖のように頻発しておき繰り返し行っていると肩関節周囲炎など肩周囲に炎症を引き起こします。加えて挟み込む部位は数種類存在します。

診断には痛みの属性を患者から聴取します。肩関節の柔軟性や筋力など肩関節の構造について確認をします。そして、画像診断を行います。通常であればレントゲンと併用してMRIかCTでの検査を行うことがいいと思います。併用する理由は他の疾患と分別するためです。

肩関節におけるインピンジメント症候群については数種類のストレッチを併用します。これは、実際に挟み込んでいる場所を特定し適応のストレッチを実施します。そして、筋トレを行います。治療で示す筋肉はインナーマッスルと言われる筋肉であり、高頻度(回数を多く)・低負荷(抵抗を弱く)で実施するようにしてください。

 

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病院に勤めていた作業療法士が、実際の臨床現場で学んだ脳出血や脳梗塞などに伴う後遺症さらに、骨折や脊髄損傷などの後遺症などの情報を提供。また、基本的な医学用語やトレーニング方法などについての知識をわかりやすく解説。

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